2011年10月31日月曜日

リターンロス(VSWR)ブリッジを作る

ループアンテナのインピーダンスを測ろうとリターンロスブリッジを作りました。リターンロスブリッジは、アマチュア無線系の方がギガヘルツ帯まで使える凄いモノを作られていて圧倒されます。(こんな方とか、こんな方とか。)私は、数メガヘルツまでで良いのでDC RECORDING HOME PAGEさんの記事を真似てみました。が、特性的には残念な結果になりました。劣化コピーと言われそうです。

ケースにはジャンクの小さなケースを使って手抜きしました。基板は片面ユニバーサル基板でアース代わりに銅テープを貼り付けています。緑色の部品はアモビーズです。2個直列にしてコイルを巻いてますが普通は並列に巻くんでしょうか。
ブリッジの抵抗は、手持ちにあった49.9Ω誤差1%を使いました。
そのほか元記事にあったシールドを省略したりと細かいところは追いついていません。





アイソレーションのグラフです。終端抵抗の銘柄によってばらつきが多いです。その中でもマシな組み合わせのものを選びました。少なくともそれなりにバランスが取れていてリターンロスブリッジとしての効果はあると言えます。



今回の目的のインピーダンスアナライザを使って見たところです。50Ω終端器と映像用75Ω終端器の例です。もっともらしい数値を示しています。




次に、秋月電子で購入した470uHのインダクタを測ってみます。データシートによると誤差±10%、自己共振周波数1.5MHz、直流抵抗0.43Ωmaxとあります。
上のグラフがR+jX表示、下がインダクタンス表示です。測定インピーダンスが50Ωからかけ離れていますので誤差は大きいものの自己共振の様子も見えますしなかなか面白いツールだなと思いました。




2011年10月28日金曜日

ループアンテナを実験してみる

APB-1おじさん工房さんが、中波ラジオ受信に非同調のループアンテナをお使いと聞き、試してみることにしました。
マグネチックループアンテナをキーワードに検索すると、多くの方が製作されているのがわかります。今回は、有限会社ケプストラムさんのページを参考に実験してみました。
テレビ用の同軸ケーブルで直径60センチの輪っかをつくり先端の芯線のみを輪っかのシールドにはんだ付けしました。
これを軒先の物干しにぶら下げて、AORのホイップアンテナSA7000と比較してみます。
双方の設置場所が同じでないこととループアンテナが指向性を持つことを考えると単純比較はできませんが、受信端子電圧はループアンテナのほうが低いにもかかわらず環境ノイズはそれ以上に低く、ノイジーな受信環境の当地に向いているのではという印象を受けました。
受信端子電圧は、ループの面積と巻数に比例するはずですし、整合を取ってみるとか工夫をすると実際に改善できるのか興味があります。



2011年10月24日月曜日

SPARTAN-6版 FPGA FMステレオチューナ

これまで使っていたラティスのFPGAを使ったものから、SPARTAN-6を使用した基板に入れ替えました。FPGAモジュールが小さく基板がシンプルに見えていいです。
自作の選局用外部基板接続のためには、HDLソースを修正する必要がありますがラティス用のソースからコピペ・プラスアルファの微修正ですんなり移行できました。HDLのありがたみを実感しましたね。



2011年10月22日土曜日

ELECTRONIC TOUCH'N TUNEラジオの修理(2)

修理ですが、まずは現状把握ということで回路図を作ることにしました。基板と周辺のスイッチや電源トランスとの接続を図に写し取ります。そして基板を取り外し、回路図を起こしていきます。






回路図ができあがったら、まず劣化部品を交換します。電解コンデンサは100%アウトと考えて全数交換しました。セラミックコンデンサ、マイラーコンデンサ、チタンコンデンサはまあ大丈夫だろうと考えてそのまま。トリマコンデンサは触れると接触不良となって収拾がつかなくなりそうで極力触りたくないところです2個のうち1個は端子外れで壊れていたため交換。
抵抗は、ソリッド抵抗の細いやつは危険なイメージがありますが、これはカーボン抵抗でまあ大丈夫そうです。厳密にはノイズが増えているでしょうがラジオなら支障になるほどではないと考えます。半固定抵抗はガリが出て当然なんですが意外なことに大丈夫でした。
半導体類は、壊れていないことを祈るばかり。シリコントランジスタはともかくゲルマニウムトランジスタは替えが手に入りにくいですし、新品購入できたとしてもそれは生産からかなりの時間が経過した老朽部品と考えられます。



チューニングボタン裏のスポンジがボロボロになっていました。手元にゴムシートがあったのでカッターで似た大きさに加工して貼り付けました。スイッチの操作感が良い感じになりました。




部品を交換して元通りに組み上げ、スイッチオン。ハム音がなくなりクリアーにラジオが聞こえます。でも言われていたとおり、少し音が歪みっぽいです。まさにちょっと同調をずらした音。
APB-1のネットワークアナライザ機能を使ってIFの通過特性をみてみます。
IF入力からオートチューニング回路のレベル検知部までの特性をみると、途中のノッチフィルタ(復調系は通っていない)のディップでわかりにくいですが、IF周波数455kHzと通過域のセンターがずれています。この通過域の特性は調整余地が少なかったので、オートチューニング回路が自動同調する周波数を通過域のセンターへと少しずらして音質問題が解決しました。



2011年10月19日水曜日

ELECTRONIC TOUCH'N TUNEラジオの修理(1)

ラジオの修理を頼まれました。松下製の1970年頃の輸出モデルらしく洒落た外観でAFNが似合いそうなイメージです。特徴的なのは、"ELECTRONIC TOUCH'N TUNE"というオートチューニング機能です。ボタンをポチッと押すと受信周波数を示す中央の小振りなメータの針が動き出し、ラジオ電波をキャッチすると自動的に止まります。





故障というのは、自動的に同調したラジオの音が歪むというもの。まるで同調がわずかにずれているように聞こえるそうです。当地でテストしたところ、自動同調機能は調子良く動作するものの電源ハム音が聞こえて歪みがどうこうという以前の状態でした。










フタを開けて中を見ると、PNP型のゲルマニウムトランジスタやNPN型のシリコントランジスタが使われています。内部の電源はプラス接地になっていて時代を感じさせます。
基板を裏返すと盛ってナンボという調子でハンダの量が多く、ショート寸前や大きなハンダごみがフラックスで浮かんでいます。1970年代のメードインジャパンはこのような状態だったとは。

2011年10月17日月曜日

今更ながら汎用実験基板 APB-1を測る

簡易測定器として便利に使っているAPB-1。このところ活躍の場が多いので、レベル特性を測っておくことにしました。
下記のデータは実測値で、組み立ての個体差を含むほか未較正の測定器を使っていますので参考程度と見て下さい。

まず、スペアナモードでのリファレンスレベルです。SGの0dBm信号をAPB-1で測定して、リファレンスレベルに換算しました。
(例: 0dBmが-6.32dBと測定されたら、リファレンスレベルは6.32dBmとする)
なお、画面表示-5.7dB程度で"OVER"表示が出ます。




次にSGモードの出力レベルです。出力を0dBにセットしたときの出力レベルをスペアナで測定しました。



SGモードで出力レベルを10dBステップで変更したときのレベルです。


2011年10月7日金曜日

APB-1/PRE-1 ラジオ受信機が完成

ケースに入れました。スピーカを省略してライン出力のみのラジオチューナです。



キャラクタLCD表示器は、マルツパーツ扱いの赤色LCD TC1602E-25を選びました。正面から見ると赤い文字がくっきりと表示されますが、横から見ると真っ赤に見えて、これは液晶だから仕方ないです。このLCD表示器は、PRE-1のマニュアルで紹介されているSD1602とくらべ、電源端子の配列が逆になっていますから逆接注意です。
アルミ板にLCD表示器とディップスイッチ基板を取り付け、操作・表示ユニットっぽく仕上げました。






ライン出力は、APB-1基板のイヤホン端子に接続します。
手持ちの他の機器より出力レベルが低めでしたのでボルテージフォロワに少し手を入れて4.3倍の利得に変更。ちょうど良い音量になりました。



ケースの外観です。ライン出力端子にL、Rと書いてありますがよく考えると、モノラルだから右も左もありませんね。






2011年10月1日土曜日

APB-1/PRE-1 ラジオ受信機をケースに入れる検討

APB-1ラジオ受信機をケースに入れようとしています。もちろんスタンドアロン動作を前提としますのでFPGA FMチューナのようなパネルデザインに仕上げることを目標にします。

ケースは、死蔵していたタカチのMS66-21-23Gを活用します。



外部USBコネクタには、NEUTRIKNAUSB-Wを使います。パネル取り付け型のUSBコネクタは珍しい。用途を考えると微妙な存在ですね。




表示用のキャラクタ液晶モジュールは、SD1602HUOBが指定されていますが、見た目が綺麗なOLEDが使えないかとMouserからNewhaven DisplayNHD-0216KZW-AY5を取り寄せてみました。深く考えずに繋いでみたんですがご覧の通り文字化け。データシートをよく見たら初期化コマンドが違っています。そりゃ動きませんわ。
ソースに手を入れれば対応できるんでしょうけど、APB-1のマイコンはARMベースのもの。開発環境を整える必要があることを考えて断念しました。
このOLED、表示そのものはとっても綺麗。別の用途で使うことにしましょう。