2011年10月22日土曜日

ELECTRONIC TOUCH'N TUNEラジオの修理(2)

修理ですが、まずは現状把握ということで回路図を作ることにしました。基板と周辺のスイッチや電源トランスとの接続を図に写し取ります。そして基板を取り外し、回路図を起こしていきます。






回路図ができあがったら、まず劣化部品を交換します。電解コンデンサは100%アウトと考えて全数交換しました。セラミックコンデンサ、マイラーコンデンサ、チタンコンデンサはまあ大丈夫だろうと考えてそのまま。トリマコンデンサは触れると接触不良となって収拾がつかなくなりそうで極力触りたくないところです2個のうち1個は端子外れで壊れていたため交換。
抵抗は、ソリッド抵抗の細いやつは危険なイメージがありますが、これはカーボン抵抗でまあ大丈夫そうです。厳密にはノイズが増えているでしょうがラジオなら支障になるほどではないと考えます。半固定抵抗はガリが出て当然なんですが意外なことに大丈夫でした。
半導体類は、壊れていないことを祈るばかり。シリコントランジスタはともかくゲルマニウムトランジスタは替えが手に入りにくいですし、新品購入できたとしてもそれは生産からかなりの時間が経過した老朽部品と考えられます。



チューニングボタン裏のスポンジがボロボロになっていました。手元にゴムシートがあったのでカッターで似た大きさに加工して貼り付けました。スイッチの操作感が良い感じになりました。




部品を交換して元通りに組み上げ、スイッチオン。ハム音がなくなりクリアーにラジオが聞こえます。でも言われていたとおり、少し音が歪みっぽいです。まさにちょっと同調をずらした音。
APB-1のネットワークアナライザ機能を使ってIFの通過特性をみてみます。
IF入力からオートチューニング回路のレベル検知部までの特性をみると、途中のノッチフィルタ(復調系は通っていない)のディップでわかりにくいですが、IF周波数455kHzと通過域のセンターがずれています。この通過域の特性は調整余地が少なかったので、オートチューニング回路が自動同調する周波数を通過域のセンターへと少しずらして音質問題が解決しました。



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