2016年12月22日木曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: フロントエンドの特性確認

今回、フロントエンドは既存のものを流用するのでどんな特性か測ってみました。
アンテナ入力からデュアルゲートMOSFET CC3588DEと2SK125の2段高周波アンプの出力がダブルバランスドミキサに接続されているので、ここを切り離し、RF段の通過特性を確認します。また、局発信号もレベルを見ることにしました。

まずは、アンテナ入力にSGから -50dBmを入れて RF段の出力を見てみます。

  • 76MHz受信時: -36.1dBm
  • 83MHz受信時: -36.7dBm
  • 90MHz受信時: -36.1dBm
SG周波数を指でスイープさせRF段の通過特性を見てみます。通過域が平坦ではないのは調整がマズいからですが、これなら十分ですかね。



同調つまみを廻していたら、76MHz付近限定で急に寄生発振らしきものが起きてしまいます。こんなのどうやったら止められるんでしょうか。



これは、局発の通り抜けです。と言っても直接繋がっているわけでもなく電源かどこかから入り込んで来ているようです。



次は局発。まずレベルから。
  • 76MHz受信時: 12.4dBm
  • 83MHz受信時: 12.2dBm
  • 90MHz受信時: 10.8dBm

そしてスペクトルは、こんな感じ。自励発振器そのものなのでシンセみたいにスペクトルのひげは生えていませんが、、、お世辞にも良いとは言えない感じです。これが経年劣化の結果でしょうか。IF信号には、このノイズがそっくり重ね合わされることになります。





そういえば位相雑音の解析機能があったことを思い出しました。結果はだいたい同じです。


2016年12月19日月曜日

Web公開SDR受信機でUVB-76受信体験

ロシアから発信されているUVB-76という短波放送をご存知でしょうか。以前、知人から単調なブザー音を何十年も流し続けるナゾの短波放送の存在を聞き、ネットで調べるとオカルトじみた取り上げ方をされていて興味を持ちました。周波数は4,625kHzと6,998kHz。短波ラジオで受信を試みるとかすりもしなかっとことを覚えています。

ところが最近、Web公開されているSDR受信機の存在を知り、再度チェンレンジしたところあっさり受信できるではないですか。とても驚きました。まずは次のリンクを試してみてください。電波伝搬の都合で時間によって受信状態がよい周波数は変わります。


出典: http://websdr.ewi.utwente.nl/


ところで、このWeb公開SDR受信機の本家はWebSDRです。ここのホームページに世界各地へのリンクが張られていますが、欧米中心でアジア地区は少ないですね。WebSDRの凄いのは、複数ユーザで同時利用できることでしょうか。オランダ Twente大学のWebSDRは、"415 users"なんて書いてあって、いったいどういう仕組みなのかと驚きます。

何はともあれ、彼の地のラジオを聞いて、楽しむことができそうです。



2016年12月16日金曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: PCM1704 DAC基板を仮組み

自作のDAC基板は無事動いてくれました。WaveSpectraで1kHz 0dBFSを接続すると、ライン出力が開放端で約2.1Vp-p。XLR端子もグランド基準でほぼ同じ電圧でした。少し心配していた-5V三端子レギュレータの発熱も想定通り少し暖かくなる程度で収まりました。


DAC基板は、PCM1704を1チャンネルあたり2個を差動接続したものです。当初は、お気楽オーディオキットのRenew DAC1704基板を1枚入手していたのですが、差動構成にするためにはもう1枚必要なところ現在は頒布が終了しているようで、それなら作るか!と相成りました。
この基板にはI/V変換器やバランスラインドライバも一緒に盛り込んだのでこれでも少し省スペースになっています。



DAIとデジタルフィルタには、お気楽オーディオキットのRenew DAI for DF1706基板を使いました。CN1コネクタは使わないので、空いたスペースにS/PDIF 同軸接続用のパルストランスDA102Cを実装しました。


DAI基板とDAC基板の接続はデジットで買ったリボンケーブルを使っています。この手のものは、自分で圧着できないこともありませんが、作って貰うかジャンク屋の出物を買うのが基本だと思っていました。が、Digi-Keyでも買えることに気がつきました。これなら適切な長さのものを入手できますね。

とりあえず電源ができあがり、DACから音が出せるようになったので次は本丸のFM受信部に取りかかることにします。

2016年12月15日木曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: パネルにコネクタを組み付け

KT-9900リアパネルの既存コネクタをすべて取り払って、新たに別のコネクタを取り付けることにしたので、改造が結構大がかりになりました。いつものようにシール紙にレーザプリンタで文字を印刷してそれっぽく仕上げます。
XLRとRCAコネクタはノイトリック、BNCはカナレです。


ちなみに既存コネクタの穴は、アルミテープを貼って目隠し。意外に良い塩梅になります。


光コネクタには、秋月で買えるEverlight製 PLT133/TPLR135/Tを使いました。残念なことに東芝のトスリンクはもう製造中止です。基板は、お気楽オーディオキットのRenew DAI for DF1706付属ですが、生憎、光送信用にはピンアサインが異なるので基板をひっくり返して、一部のパターンをカットしてムリヤリ使っています。ちなみに受信用の基板なら aitendo の店頭で見つけていたんですがパネルに基板が当たってしまうので今回は使わずでした。


2016年12月12日月曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: 電源が完成

アルミ板シャーシの上に電源を取り付けてみました。
±15Vアナログ電源は、既存のトランスを使ったドロッパ式電源ということでお気楽オーディオキットの正負出力定電圧電源基板(TYPE-D)を使ってみました。過電流保護がないので慎重に進めます。
一方、5Vデジタル系はスイッチング電源と割り切ってみました。メーカはどこでも良いですが、基板形、カバー付き、日圧コネクタが使えて、5年補償、入手しやすいという条件でTDKラムダ ZWS15B-5/Aを選定。マルツから通販購入しました。


この作業と並行してフロントエンド用の定電圧回路を空中配線で組んでみます。手持ちのAZ1117H-ADJを使ってほぼ計算通り13.2Vが出てきました。当初、Minimum Load Currentの制約を忘れ軽負荷で実験したら想定外の電圧が出てきてしまい、原因を特定するまでかなり遠回りをしてしまいました。


ちなみに配線は、いつものXHコネクタと熱収縮チューブを使って見栄え良く仕上げます。


2016年11月26日土曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: 注文ミスでシャーシ寸足らず

KT-9900内に2mm厚のシャーシを新たに取り付け、その上に各種基板を載せることにしました。アルミ板は、福井の横山テクノさんの切り売りです。
が、問題発生。注文サイズを間違えており2センチ寸足らずでした。ちょっと格好悪いですが大勢に影響ないので我慢することにしました。例のごとくアルミ板に型紙シールを貼り付けて加工します。


さて、加工中にさらに問題発覚です。ボール盤の支柱が邪魔になってシャーシの中央部にドリルが届きません。フトコロ寸法の制約ですね。あいにくハンドドリルを持ってませんので穴あけを見送ることにしました。大きな対象物の加工は初めてなので勉強になりました。


2016年11月23日水曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: 解体作業

チューナのガワを再利用するため、まずは内部の基板を取り外します。箱だけでもかなりの重さになってて驚きです。


リアパネルを取り外し、コネクタ穴を新たに加工することにしました。XLR端子がポイントですね。実はコネクタ穴の明け忘れに気がつきました、次週に持ち越しです。


2016年10月24日月曜日

ELECROWから基板が届いた

ELECROWから追跡ナンバーのメールが届いた当日に実物もやってきました。10月15日に注文して、OCSで24日に届きました。

これが初めての4層基板。個人の注文で作って貰えるなんて感動です。


両面基板は気張らず作れるようになりました。


2016年10月22日土曜日

4層基板を作ってみる

内層の使い方

  • 1層: 部品面、2層: グランド、3層: 電源、4層: 半田面

内層のデザインルール

内層は部品面や半田面より規格が厳しくなっています
  • Minimum inner trace width:
  • Fusion PCB 8mil/0.203mm、ELECROW 0.3mm
  • Minimum inner trace/vias/pads space:
  • Fusion PCB 8mil/0.203mm、ELECROW 0.3mm

DesignSparkで回路図から基板に変換

Tools ⇒ Translate to PCB
 Specify your required PCB technology画面
 Technology File: 2sig2plane
 Units: mil
 Precision: 0

Specify which layers you require画面
 Define Layers: 4 Layer Board

Define your board outline画面
 Define Board Sizeで基板サイズを指定

Specify component placement and net  routing requirements
 Arrange Outside the Boardを選択

発注用ガーバファイルの出力

ガーバ-ファイルを ELECROW/Fusion PCB の基準に合わせリネームし、ZIPで圧縮します。
Bottom Copper.gbr : pcbname.GBL
Bottom Silkscreen.gbr : pcbname.GBO
Bottom Copper (Regist).gbr : pcbname.GBS
Drill Data – Through Hole.drl : pcbname.TXT
Top Copper.gbr : pcbname.GTL
Top Silkscreen.gbr : pcbname.GTO
Top Copper (Regist).gbr : pcbname.GTS
Layer 2 Copper(Powerplane Positive).gbr : pcbname.GL2 ※第2層(内層)
Layer 3 Copper(Powerplane Positive).gbr : pcbname.GL3 ※第3層(内層)

2016年7月18日月曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: PCM1704 D/Aコンバータを内蔵

「KT-9900 近代化改修」というタイトルにしていますが、チューナのガワだけ使って中身を別物に入れ替えようという乱暴なプランです。

チューナ部分にはFPGA FMチューナ。さらに、オーディオD/Aコンバータも内蔵することにします。KT-9900でもともと使われていた部品のうち流用するものは、芸術品のようなバリコンチューナ部分と電源トランス系。他の基板類は故障多発の実績ありなので継続使用は厳しい感じでしょうか。

D/Aコンバータには、ジャンク箱から出てきたPCM1704を活用します。他に、h_fujiwara氏のDAI基板やPCM1704用D/A基板が1枚あり、調べたところ2007年に大枚はたいて購入したまま塩漬けとなっていたものでした。これを組み上げるには電源やそれなりの大きさのケースが必要なのでKT-9900は最適です。
さて、PCM1704の手持ち数は4個。片チャンネルあたり2個使い、差動接続するのが妥当に思えます。h_fujiwara氏のD/A基板説明書によると差動接続させるにはD/A基板が2枚必要です。手持ちは1枚なのでもう1枚欲しいな、と調べたところあいにくの在庫切れ。検討の結果、I/V変換やバランスドライバ機能も盛り込んだ基板を作ることにしました。基板サイズ10センチ以内だと割安で製作できます。




2016年7月15日金曜日

Design Spark PCB備忘録: 回路図から基板へ

結論から言うと、クイックスタートガイドはちゃんと見ておいた方が良いです。

回路図の作成

  • パーツのライブラリは、すべて自分で登録した。
  • アース記号を描くだけではつながってくれない。各アースが属するネット名を同じ名前に統一すると、その配線がつながっているものと見なしてくれる。
  • 部品番号は手動変更は可能だが、自動振り直しはできないっぽい。
  • 配線に Net Name を表示させるには、配線を選択し右クリックメニュー Display Net Name

PCBファイルの作成

  • クイックスタートガイドを見ながら回路図から Translate To PCB... すると、部品同士の接続関係を示すラッツネストという黄色線で接続された画面になる。(Technology File: 2sig2plane, Unit: mil, Precision: 0, Electrical Layers: 2 Layer Board, Board Size: 任意・後から変更可, Component Placement: Arrange Outside the Board)
  • 部品の自動配置もできるようだが使わず。
  • 単位系はmilかmmか。。。 mil が無難かな。
  • 回路図変更後の基板への反映は、PCB Design 画面で Tool→ Forward Design Change
  • 基板サイズ変更、基板固定穴の配置
  • 部品の位置を固定 ⇒ 右クリックメニューで Fix Item
  • 部品を基板の裏側に配置 ⇒ 右クリックメニューで Flip
  • Finishing here would result in design rule check errors. のエラー 部品の位置を変えたとき等、その都度DRCが走ってエラーが出ることがあります。結構うざいですが Tools ⇒ Online DRC のチェックを外すとこの機能を解除できます。
  • レイヤ表示設定は、View ⇒ Interaction Bar ⇒ Layers タブ

PCB配線パターンの作成・修正

    • 部品配置を決めたら自動配線させてみる Tools ⇒ Auto Route Nets ⇒ All Nets
    • ラッツネストに戻すときは、配線パターンを選択し、右クリックメニュー ⇒ Net ⇒ Unroute Track Segments または Ctrl + U
    • 配線を書く前に S キーで配線スタイル、L キーでレイヤを変更できる
    • 部品のレイヤを後から変更するには、右クリックメニュー ⇒ Flip
    • 手動で斜めのパターンを引くとき、Wキーで 直角/45度曲げ/丸みをつける/直線にするか選べます。配線後の変更は、角の先端をダブルクリックすると直角⇔45度曲げを選べます。さらに丸み配線にするときは、45度曲げにした後、右クリックメニュー → Arc → Angle XX で変更できます。
    • SHIFT+ダブルクリック で同電位の配線をハイライト表示
    • ビアを打つとき、レイヤが[All] になってないと、Warning, the surface-mount pad uses a style with a drill hole というワーニングが出ます
    • ベタパターンも引けます。他のパターンとの離隔距離は指定できます。今回は18milにしてみました。

    デザインルールチェック

    Spacing (単位 mil、デフォルト値)

    • 今回は、ELECROW の規格を抜粋します。専門用語が多くて誤認しているところがあるかもしれません。
    1. 配線幅 Minimum PCB track: 6mil(推奨8mil)
    2. Minimum Track/Vias Space: 6mil(推奨8mil)
    3. Minimum pads Space: 8mil
    4. Annular Ring: 6mil
    5. シルク文字高 Minimum silkscreen text size: 32mil(推奨40mil)
    6. シルク文字太さ: 6mil
    7. ビアドリル径 Drilling Hole: 0.3-6.35mm(0.05mm単位)
    8. ビア径: 0.8-6.35mm
    9. ボード外形と配線やシルクとの離隔: 0.2mm(推奨0.3mm/12mil)
    10. ドリル穴同士の離隔: 0.45mm

    設定画面




    • Tools → Design Rule Check で遭遇したエラー
    1. Track to Pad error (T-P): パッドと配線の離隔不足。すべて修正。
    2. Track to Board Error (T-B): 配線と基板外形の離隔不足。基板サイズを変更して対応。
    3. Component to Board error (Cm-B): 部品と基板外形の離隔不足。基板からはみ出して部品を配置したので出た。わざとやってるので無視。
    4. Component to Component Error (Cm-Cm): 部品と部品の間の離隔不足。基板実装タイプのBNCコネクタの裏側にチップコンを配置したら出た。支障ないので無視。
    5. Dangling Track: 未接続や途中で切れているような不完全な配線パターンあり。地道に取り除くしかない。
    6. Track to Drill Hole error (T-D): 太い配線パターンがドリル穴を覆っているため。ビアに対して配線幅が太すぎ(電源)のため。大きなビアにすれば良いのでしょうがわざとやってるので無視。
    7. Pad to Silkscreen error (P-S): パッドがシルクと重なっている。重なったらシルクが欠けるだけでは?と思ったが製造会社によって違うらしい。仕方ないのでライブラリも含め、一つずつ修正。
    8. Via to Silkscreen error (V-S): ビアがシルクと重なっている。7と同様。

    ガーバ出力

    • ELECROW 向けのデータは、FusionPCB と同じで良いみたいです。ガーバ出力の手順は、慶応義塾大学ロボット技術研究会ブログにも転載されている)に詳しいです。
    • 外部ツールのガーバビューワで出力されたファイルの妥当性を確認します。ビューワはいろいろあって、GC-Prevue(使い方はこちら)と Gerbv(使い方はこちら)を試しました。後者のほうがシンプルで動作が軽快でした。⇒ Gerbv は不適切な表示になる場合あり
    • Drill Ident Drawing.gbr が何を表示しているのかよくわからないが、ELECROW には必要ないのでスルー
    • ガーバ-ファイルを ELECROW の基準に合わせリネームし、ZIPで圧縮します。
    1. Bottom Copper.gbr : pcbname.GBL
    2. Bottom Silkscreen.gbr : pcbname.GBO
    3. Bottom Copper (Regist).gbr : pcbname.GBS
    4. Drill Data – Through Hole.drl : pcbname.TXT
    5. Top Copper.gbr : pcbname.GTL
    6. Top Silkscreen.gbr : pcbname.GTO
    7. Top Copper (Regist).gbr : pcbname.GTS
    • ELECROWのドリル径は0.05mm単位、インチ/ミリ変換時に端数が出ると大きいサイズが選ばれるらしい
    2017.5.11追記
    DSの中の人からコメントを頂き、記事の修正を行いました。ありがとうございました。

    Design Spark PCB備忘録: 回路図を書いてみる


    まずはチュートリアル DesignSpark PCBの使い方一覧 を一通りやってみます。

    DesignSpark PCBで使われる単位
    1000[thou]  =  1000[mil]  =  1[inch]  =  25.4[mm]  =  2.54[cm]


    (新規ファイル作成)
    ・DesignSpark を起動
    ・File → New
    ・New Design ウインドウで Schematic Design を選び Use Technology File にチェック
     default.stf を指定
    ・File → Save As... でファイル名を指定して保存

    (図面枠の追加)
    ・Add → Component...
    ・Library で schema.cml を指定
    ・Component で A4 を指定
    ・Add で図面枠を追加




    回路図作成のショートカット

    F 部品の反転
    R 部品の回転


    配線の曲げ方
    45度のパターンは、配線ドラッグ中にWキーを押すと作成できます。
    もしくは一度90度配線をした後、角をダブルクリックすると45度配線が作成できます。


    ネット名の設定
    配線を右クリックして Net 名を設定できる。同じ Net 名の配線は接続されているものと見なされる。Net Class で適切な配線種別(Ground/Power/Signal)を選んでおくこと。


    ModelSource の利用
    部品をオンラインデータベースからダウンロードする機能。
    View → ModeSource Bar として検索画面を呼び出し、部品名で検索できる。アプリケーションのインストール時のユーザ名でログインが必要。




    レポートの出力
    ・Output → Reports...

    回路図では Bill Of Materials や Unconnected Pins Report 等が利用できる。


    印刷
    ・File → Print...
    Windows を選ぶと、デバイスとプリンター で指定された規定のプリンターで印刷。Fit Plot をクリックすると規定の用紙サイズに合わせて調整してくれる


    2016年7月10日日曜日

    実体顕微鏡のLED照明

    「実体顕微鏡のLED照明」を作りました。と言っても、照明ユニットにパワーLEDを差し込んだというやっつけ仕事です。1W LEDは明るくて、期待通りでした。


    さて、ニコンのSMZ-1Bにはもともと円筒形の照明装置が後部に付いていました。これに専用のハロゲン球を差し込みますが、交換用の電球が高価だったので、電気スタンドで代用していました。ただ照明の位置合わせが不便で、かねてから不満を感じていたのでLED式の照明を作ることにしました。
    次の写真は、元々付属していた照明の一部です。筒の中に光源を差し込みレンズで投影します。



    当初はLED式懐中電灯を差し込むつもりでホームセンター巡りをしましたが、1Wクラスのものは太くて入りません。そこでパワーLEDを真鍮パイプの先に取り付けることにしました。真鍮パイプ先端部に切り込みを入れて基板を挟みはんだで固定します。このパイプ、たかがパイプと舐めていたら思いのほか硬くて加工に苦しみました。どうやら五円玉と同じ素材のようです。



    パワーLEDの駆動には、1W LED用定電流ドライバーモジュールを使いました。秋月電子でも同様なモジュールが売られています。



    この照明の仕上がりはこんな感じになりました。LED放熱基板が大きくて照明の筒に入らないので余長をハンドニブラでカットしています。真鍮パイプの加工で疲れ、やる気をなくしたので仕上げは適当。結束バンドで配線とDCジャックと定電流モジュールを固定しておしまいです。


    最後に、この照明を使って撮影した写真です。被写体はELECROWで製造してもらった基板です。右側は0.5mmピッチのICで、仕上がりは自作では真似のできないものになっています。


    そして、これはガーバビューワでベタパターンの形が異なって見えた件の答え合わせです。予想通り GC-Prevueが正解でした。


    2016年7月3日日曜日

    Windows 10 スティックPC に放熱板を付ける

    Windows 10が動作するスティックPCを買ってみました。ドスパラの運営会社が販売する DG-STK3 なんですが、使っていると結構熱を持ちます。値段が安い代わりに、改造前提のようで熱対策として空冷ファンを取り付ければ万全ですが、自然空冷にしたいのでちょっとした放熱板を取り付けてみることにしました。

    DG-STK3の蓋を開けたところです。
    HDMI端子に隣接した溝付きの黒い小さなアルミ板がなんとCPU用の放熱板。さらにアルミ板の固定ねじを外すといきなりCPUが顔を出します。本来であれば既存の放熱板をより大きなモノに交換したいところ、いろいろ考えてまずは既存の放熱板はそのままにして追加の放熱板を取り付けることにしました。



    これが新たに取り付ける放熱板です。これを固まる放熱用シリコーンで取り付ける魂胆でしたが、残念なことに既にチューブの中で固まっていました。前回、いつ使ったのか、開封したら早めに使えと言うことです。


    仕方が無いので手持ちから熱伝導両面テープを使うことにしました。これは凸凹がある面には不適とされているため、溝付き放熱板には粘着力不足。貼り付けに苦労しました。




    放熱板を貼り付けたところです。剥がれないよう結束バンドで無理矢理固定します。


    Pカッタで蓋を適当な大きさに切断します。


    蓋を取り付けてひとまず完成と言うことにしました。



    使用に際してですが、初期設定でUSB接続のキーボードとマウスが必要です。Bluetooth接続のキーボードとマウスで作業を始めようとしたらいきなり困りました。よく考えたら当たり前の話なんですけどね。

    さて使い勝手ですが、作業後電源を入れると画面が表示されず、電源コード抜き差しでも復活しないので焦りましたが、PCと同じ要領で電源スイッチ長押しで再起動できました。SSDだからでしょうか意外に快適です。レグザだと画面から少しはみ出る感じですが、テレビ側の問題でしょうかね。
    残念なポイントとしては、無線LANが不安定なところでしょうか。突然通信できなくなったり、無線LAN APに再接続操作が必要になったり、使い物にならないという印象です。これは、無線LANチップが高温となると駄目という話ですが、無線LANが5.6GHzに非対応だったこともあり、USB接続の無線LAN子機を追加購入することで対応しました。

    気になる動作温度ですが、30分ほど例のStationTVでテレビを見てからの、コア温度は次の通りでした。室内温度28度での測定値ですから、夏場は少々苦しいかもしれません。