2017年5月28日日曜日

AES/EBUを民生用 同軸デジタル端子に接続する検討

業務用AES/EBUデジタル音声を民生用のサウンドカードに接続すれば、音ぐらいは出るんじゃないか?と考えて、同軸接続するにはどうすれば良いかを検討しました。いろいろと準備はしたんですが、結果的に業務用機器に触れる機会がなく実際に検証するには至りませんでした。せっかくですので、検討メモを残してきます。
任意の機器間で音が出るかどうかはまったく不明ですのでご注意ください!


AES/EBUインターフェース

  • 業務用デジタル音声伝送規格として策定されたAES3規格(AESが1985年に策定)、IEC60958として国際標準化
  • 16~24ビット 2チャンネルを伝送。サンプリング周波数は48kHzが基本で、22.05/24/32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHzが規定されている。
  • 接続ケーブルは特性インピーダンス110Ωのシールド付きツイストペアケーブル(RS-422準拠)による平衡伝送/3ピンXLRコネクタ接続と75Ω同軸ケーブルによる不平衡伝送/BNCコネクタ接続がある。
  • 伝送距離はIEC60958に書いていない(見つけられなかった)。カナレのケーブルでは360mの伝送が可能と謳うものがある。
  • コンテンツの著作権保護に対応していない

S/PDIFインターフェース

  • 民生用デジタル音声伝送規格としてEIAJ(現JEITA)が1987年にCP-340規格として策定、IEC60958として国際標準化。さらに圧縮オーディオAC-3方式やMPEGオーディオ等を含めるためIEC61937として拡張されている
  • 16~24ビット 2チャンネルを伝送。サンプリング周波数は22.05/24/32/44.1/48/88.2/96/176.4/192kHzが規定されている。
  • 接続ケーブルは75Ω同軸ケーブルによるRCAコネクタ接続とプラスチック光ファイバによる角形光コネクタ(トスリンク)または丸形光コネクタ(基本的な形状は3.5φステレオミニジャックと同じ)接続がある。
  • 伝送距離はIEC60958に書いていない(見つけられなかった)。
  • 著作権保護機能としてSCMSに対応

AES/EBUとS/PDIFのちがい

  • AES/EBUとS/PDIFは、音声伝送部分のフォーマットは基本的に同じだが、チャンネルステータスデータの使い方が異なっているので両者に互換性はないとされています。ただ、オーディオデータそのものは両者で同じなので、機器によっては音声だけでも伝送可能ではと考えました。動作するかは実験的に確認するしかありません。Xonar D2XはS/PDIF同軸接続に対応しているので、AES/EBU XLR端子に無理矢理つないで試してみます。
  • AES/EBU XLR端子出力の規格はインピーダンス 110Ω、平衡出力、2~7Vp-p(110Ω終端)。入力はインピーダンス110Ω、200mV~7Vp-p(規格策定当初 最大10Vp-p)
  • S/PDIF同軸出力の規格は、インピーダンス 75Ω、不平衡出力、0.5Vp-p(75Ω終端)。入力は、インピーダンス75Ω、0.2V~0.6Vp-p

AES/EBUをS/PDIFに電気的に接続する方法

  • XLR端子からBNC端子への110Ω-75Ω変換器が市販されているので買ってみました。
  • AES/EBU ⇒ S/PDIFの場合、変換器に5V(変換器仕様5Vmax)が入力された場合、変換出力は3.98Vとなります。S/PDIF入力範囲は0.2V~0.6Vp-pなので減衰量20dBの75Ω減衰器を併用する必要があります。
  • S/PDIF ⇒ AES/EBUの場合は、S/PDIF出力0.5Vp-pで変換器で昇圧されて出力は0.58Vp-pとなり、電気的にはそのまま接続可能です。
  • この手法は、電圧仕様のみに着目した接続方法です。実際の機器で音が出るかは、それぞれの機器の実装により決まると思われるため、実験的に確認する必要があります。つまり音が出ればラッキーということです。

参考資料

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