2012年3月27日火曜日

中波受信用ループアンテナ その20(ブースターでAMラジオ室内受信改善)

台所のAMラジオの受信状態がひどく悪いので、受信改善を試してみました。
ブースターは、Webで見かけたAMブースター(UZ-8DX)の回路を見てやっつけで作ったもの。
出力にクリップコードで作ったループを接続してラジオと結合します。
これでラジオが安定して聞こえるようになりましたが、いろいろと不満が残っています。


2012年3月23日金曜日

中波受信用ループアンテナ その19(組み立て・受信実験)

いろいろと誤算がありましたが、とにかく組み立てて受信実験をしてみました。当初の期待には遥かに及びませんがホイップアンテナと比較すると受信端子電圧が高く、十分に実用になります。


エアコン室外機から離れたベランダ天井から吊した様子 


整合部の内部


整合回路


受信端子電圧(594kHzに同調)



(1)ループエレメントに直列にコンデンサを接続して共振させたところ
抵抗成分は約1Ω


(2)ループエレメント+直列コンデンサ+マッチングトランス(変換比1:81)
位相が±45°となる帯域幅は4kHz(無負荷時)


(3) (2)に直列に82オームを接続したとき
位相が±45°となる帯域幅は7.8kHz(負荷接続時に相当)



2012年3月22日木曜日

中波受信用ループアンテナ その18(整合回路)

お断り
ループアンテナ単体の抵抗成分を実測したところ、想定値の20倍である1Ωもありました。同軸ケーブル外皮の高周波抵抗値が同じ太さの銅パイプと同じと想定していましたが、それが正しくなかったためなのかなと思います。以下の記事は、それに気付く前に書いた物ですが、この当時自分が考えていたことのメモとして残しておきます。



ループアンテナの単体特性

製作中のループアンテナの特性を示します。インダクタンスのみ実測値でその他は計算値で、インピーダンスは0.6MHzで0.020Ω+j168Ω、0.8MHzで0.023Ω+j244Ωとなります。



整合回路 




フロートバラン

これは、ループアンテナエレメントと負荷側の回路とのコモンモードに対するアイソレーションを確保するのに挿入するものです。負荷側のインピーダンスとは、整合回路・受信ケーブル・受信機をまとめて見たときの対地インピーダンスと考えていますが、測定のしようがありません。仮に、勘で数100Ω程度としますと、フロートバランでは一桁大きいkΩ台のリアクタンスが欲しいところです。

たとえば、600kHzで1kΩのリアクタンスを確保するには、FT-50-#75に10回巻く必要があります。ここで問題となるのが、巻線の抵抗成分です。巻線の長さは概算で25cm×2本=50cmより、直径1mmのUEWで31.5mΩもあります。これでは、ループアンテナエレメントの抵抗成分20mΩよりも大きいです。気分的には、ループアンテナエレメントと整合回路の間に挿入したいところですが、これでは整合回路の出力側に入れたほうが良さそうです。



コンデンサの選定

ループアンテナのリアクタンス成分をキャンセルするため、直列にコンデンサを挿入します。600kHzに同調するには1600pF、800kHzは800pFです。このコンデンサは等価直列抵抗ESRが低くないと損失が発生します。コンデンサの仕様書には、ESRの代わりにtanδが記載されています。
ESRとtanδの関係は、インダクタンス成分が無視できる周波数領域のとき次の通りです。但し、Xcはコンデンサのリアクタンスです。


例えば、村田製作所のラジアルリード積層セラミックコンデンサのtanδは、温度補償用で30pF以上でQ≧1000とあります。コンデンサのQはtanδの逆数なので、tanδ≦0.001です。ただこの規定周波数は1kHzなので周波数が上がるにつれて特性が下がっていくことが想定されます。


村田製作所のデータシートから抜粋


もうひとつ、高周波で性能が良いと有名なマイカコンデンサの例を調べてみました。こちらは、tanδ(誘電正接)の周波数特性まで掲載されています。1000pFなら、1MHzで0.01%と積層セラミックコンデンサより1桁良いです。


双信電機のデータシートから抜粋

この特性を見ると、マイカコンデンサしか選べませんね。それでも、168Ωのリアクタンスを持たせるときのESR値は、0.0001×168Ω=16.8mΩ、ループアンテナの抵抗成分20mΩに匹敵するのでロスが出ます。


インピーダンス変換トランス

トロイダルコアを使ったトランスですが、何回巻けばよいのか調べてみました。文献によると、使用最低周波数でのコイルのインピーダンスの目安は次の通りということです。但し、 インピーダンス Z、一次側インピーダンスZa、二次側インピーダンスZb。



2012年3月19日月曜日

『トロイダルコアを使ったFCZ-Coilの自作』

今更ながらCQ Ham Radio誌3月号を入手しました。
もちろん、JA9TTT加藤氏の記事が目当てです。
参考にさせて頂きます!

一昨日Amazonには3冊でしたが、今は残り1冊。
もしくは、CQ出版からも購入できます。

2012年3月3日土曜日

中波受信用ループアンテナ その17(トロイダルコアについて)

トロイダルコアのインダクタンス

トロイダルコアのデータをまとめてみます。

各データは、アミドン(T/FT/FBシリーズ)取扱説明書(トヨムラ)とトロイダル・コア活用百科(CQ出版)から抜粋したものです。ただAmidon Associatesのデータシートと若干数値が異なっていたり、秋葉原で入手できるものはMicrometals製だとか、このあたり正直なところ何だか良くわかりません。

さて、トロイダルコアのインダクタンスは次式で計算できます。但し、インダクタンスL、AL値、巻数N、AL値で指定された巻数N0。



次の表のAL値は、巻数1,000回あたりのインダクタンス[mH]です。

トロイダルコアのAL値

最大巻線数


参考資料





2012年3月2日金曜日

マルチメディア放送NOTTVの試験電波

NOTTV(ノッティーヴィー)は、2012年4月に開局するスマートフォン等の携帯端末向けの有料放送局です。放送内容については、運営会社mmbiのwebに詳しいです
4月の放送開始に先立ち東京スカイツリーから発射された試験電波の波形をスペアナで見てみました。放送方式はISDB-Tmmといい地デジのISDB-Tを発展形で周波数は207.5~222MHzを使用しています。




ところで共同アンテナの50~250MHzの様子です。VHF-TVは見あたらなくなって寂しいですね。


(参考リンク)
株式会社mmbi
ケータイWatch - 携帯マルチメディア放送「NOTTV」、月額420円に
総務省 - 携帯端末向けマルチメディア放送システムISDB-Tmmの概要
ARIB - ARIB STD-B46 移動体・携帯端末向け地上マルチメディア放送のセグメント連結伝送方式