実効高
ループアンテナの利得とも言うべき実効高。実効高を計算で求める事が出来るので電界強度の測定にも使われるそうです。実効高は、ループアンテナ面積とループ巻数に比例するので面積半分でも巻数2倍にすれば実効高は同じになります。
但し、実効高h [m]、ループアンテナ面積A [㎡]、ループ巻数N [回]、波長λ [m]
例えば、直径0.5m 2回巻ループアンテナを1MHzで使用するときの実効高は0.0082m(-41.7dB)となります。(すごく低いですね!)
※2012.1.1 実効高計算値が間違っていたので修正しました
※2012.1.1 実効高計算値が間違っていたので修正しました
受信電圧
アンテナに誘起される電圧(開放端)は、実効高に電界強度を掛けると計算できます。アンテナで受信した電力を最大限受信機に伝えるために、アンテナと受信機のインピーダンス整合を取る目的でR1=R2としますから、受信機入力の電圧はアンテナの誘起電圧の2分の1になります。
アンテナの放射抵抗・放射効率
アンテナの等価回路は放射抵抗、損失抵抗、リアクタンス成分で考えます。
アンテナの放射抵抗は、電力が電波として空間に放射されて失われることによる損失を発生させる抵抗値と等価です。受信アンテナとすれば、受信電圧の信号源インピーダンスが放射抵抗と同じでと考えれば良いのかなと思います。しかし、実際のアンテナでは等価回路のように損失抵抗やリアクタンス成分が直列に繋がっているためどうしても損失が発生します。
微少ループアンテナの放射抵抗は次の通りです。前述のループアンテナを当てはめると0.59μΩになります。(本当!?)
微少ループアンテナの放射抵抗は次の通りです。前述のループアンテナを当てはめると0.59μΩになります。(本当!?)
※2012.1.1 数式が間違っていたので修正しました
損失抵抗は、銅損(配線の直流抵抗や半田付け)、誘電体損、表皮効果等々などによるそうです。
共振型のアンテナでは、リアクタンス成分がゼロとしますので、抵抗成分だけに着目すると、放射効率ηは次の通りとなります。
但し、放射効率η、放射抵抗Rr [Ω]、 損失抵抗Rloss [Ω]
ループアンテナでは、放射抵抗が非常に小さいので損失抵抗がそれに見合うほど小さくできなければ放射効率が下がってしまいます。
放射効率の向上については、JH1GVY氏のWeb記事に詳しくまとめられており、放射効率を上げるにはループの直径を大きくすることとエレメント断面の太さを太くすること等が挙げられています。
ループアンテナのQ
直列共振回路なのでQは次の通りです。
但し、角速度ω [rad/s]、リアクタンスL [H]、抵抗r [Ω]
ループアンテナ単体に着目すれば、r = 放射抵抗Rr + 損失抵抗Rloss でこのときのQは無負荷Qと呼ばれます。整合をとった負荷を接続したときは、さらに負荷抵抗が加わるのでQは半分(負荷Q)になります。
ループアンテナ単体に着目すれば、r = 放射抵抗Rr + 損失抵抗Rloss でこのときのQは無負荷Qと呼ばれます。整合をとった負荷を接続したときは、さらに負荷抵抗が加わるのでQは半分(負荷Q)になります。
参考資料
・山田吉英(2011) 小型アンテナの特性と設計に使う基本式 RFワールドNo.14, 18-21
(中波受信用ループアンテナ その5)
返信削除「ループアンテナのQ」の項で ω=角速度を各速度とKY-BD入力ミスをされたようです。
さっそく、修正しておきました。ご指摘ありがとうございます。
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