2017年2月20日月曜日

TRIO FMチューナ KT-9900 近代化改修: デジタルノイズかぶりで苦しむ

チューナを実際に使ってみるとデジタルノイズの影響を受けていることがわかりました。受信電界をかなり強めないと、ザーッ という雑音が目立ちます。さらには本来関係ないはずのケーブルに手を触れると状況が変化。デジタルノイズのかぶりを受けているようです。

ノイズ対策ですが、効果を定量的に比較してみたいと考えました。わかりやすい指標としてここでは20dBNQ法により受信感度を比較することにします。具体的にはRF無入力時に復調後のFMノイズ(ザーッというあれです)の電圧をオシロを使って測ります。そしてRF信号発生器からCW波を入れて復調電圧が20dB抑圧されるときのRF信号レベルが受信感度ということになります。

まずは、ノイズ対策前のすっぴんの状態で測ってみます。受信感度は-56dBm。地元FM局でもノイズ混じり、これはちょっとひどいです。

次に、FPGAチューナの入出力ケーブルにパッチンコア(クランプフィルタ)を取り付けてみます。
S/PDIF出力に取付: -61dBm
アンテナ入力に取付: -65dBm
アンテナ入力とS/PDIF出力に取付: -71dBm


上記写真をFPGAチューナ作者氏にお見せしたところ、基板アースは確実にシャーシに接続すること、コアは基板間近に、それにコアの内径はケーブル外径にできるだけぴったりのものがおすすめとアドバイスを頂きました。

そこで、FPGAチューナ基板のアースを金属スペーサを経由してシャーシに確実に接続すると -73dBm。次にFPGA基板のアンテナ入力、S/PDIF出力、電源入力のそれぞれの最寄りにフェライトビーズFB-801を取り付けると-77dBm。デジタルオーディオインターフェース基板とD/Aコンバータ基板を接続するI2S信号用フラットケーブルにFT82-43を取りつけて-80dBmまで改善しました。


アナログ基板の電源・アナログ出力ケーブルをまとめて大きなサイズのパッチンコアを取り付けると結構効き目があり-84dBm。さらにLCD基板の接続ケーブルにもフェライトコアFT37-43とFT50-43を取り付けて-87dBmとなりました。


さらにわかったこと。
I2S信号用フラットケーブルをシャーシに押しつけるとノイズが減ります。D/Aコンバータの基板のアースが浮いていたので試しにシャーシに接続すると、逆にノイズがめちゃくちゃ増えてしまいます。それなら、と、デジタルオーディオインターフェース基板を調べるとこれもアースが浮いてました。そこでデジタルオーディオインターフェース基板のアースをシャーシに接続すると、かなりノイズが減らすことができました。ここまでやって-96dBmまで改善できました。