2016年7月15日金曜日

Design Spark PCB備忘録: 回路図から基板へ

結論から言うと、クイックスタートガイドはちゃんと見ておいた方が良いです。

回路図の作成

  • パーツのライブラリは、すべて自分で登録した。
  • アース記号を描くだけではつながってくれない。各アースが属するネット名を同じ名前に統一すると、その配線がつながっているものと見なしてくれる。
  • 部品番号は手動変更は可能だが、自動振り直しはできないっぽい。
  • 配線に Net Name を表示させるには、配線を選択し右クリックメニュー Display Net Name

PCBファイルの作成

  • クイックスタートガイドを見ながら回路図から Translate To PCB... すると、部品同士の接続関係を示すラッツネストという黄色線で接続された画面になる。(Technology File: 2sig2plane, Unit: mil, Precision: 0, Electrical Layers: 2 Layer Board, Board Size: 任意・後から変更可, Component Placement: Arrange Outside the Board)
  • 部品の自動配置もできるようだが使わず。
  • 単位系はmilかmmか。。。 mil が無難かな。
  • 回路図変更後の基板への反映は、PCB Design 画面で Tool→ Forward Design Change
  • 基板サイズ変更、基板固定穴の配置
  • 部品の位置を固定 ⇒ 右クリックメニューで Fix Item
  • 部品を基板の裏側に配置 ⇒ 右クリックメニューで Flip
  • Finishing here would result in design rule check errors. のエラー 部品の位置を変えたとき等、その都度DRCが走ってエラーが出ることがあります。結構うざいですが Tools ⇒ Online DRC のチェックを外すとこの機能を解除できます。
  • レイヤ表示設定は、View ⇒ Interaction Bar ⇒ Layers タブ

PCB配線パターンの作成・修正

    • 部品配置を決めたら自動配線させてみる Tools ⇒ Auto Route Nets ⇒ All Nets
    • ラッツネストに戻すときは、配線パターンを選択し、右クリックメニュー ⇒ Net ⇒ Unroute Track Segments または Ctrl + U
    • 配線を書く前に S キーで配線スタイル、L キーでレイヤを変更できる
    • 部品のレイヤを後から変更するには、右クリックメニュー ⇒ Flip
    • 手動で斜めのパターンを引くとき、Wキーで 直角/45度曲げ/丸みをつける/直線にするか選べます。配線後の変更は、角の先端をダブルクリックすると直角⇔45度曲げを選べます。さらに丸み配線にするときは、45度曲げにした後、右クリックメニュー → Arc → Angle XX で変更できます。
    • SHIFT+ダブルクリック で同電位の配線をハイライト表示
    • ビアを打つとき、レイヤが[All] になってないと、Warning, the surface-mount pad uses a style with a drill hole というワーニングが出ます
    • ベタパターンも引けます。他のパターンとの離隔距離は指定できます。今回は18milにしてみました。

    デザインルールチェック

    Spacing (単位 mil、デフォルト値)

    • 今回は、ELECROW の規格を抜粋します。専門用語が多くて誤認しているところがあるかもしれません。
    1. 配線幅 Minimum PCB track: 6mil(推奨8mil)
    2. Minimum Track/Vias Space: 6mil(推奨8mil)
    3. Minimum pads Space: 8mil
    4. Annular Ring: 6mil
    5. シルク文字高 Minimum silkscreen text size: 32mil(推奨40mil)
    6. シルク文字太さ: 6mil
    7. ビアドリル径 Drilling Hole: 0.3-6.35mm(0.05mm単位)
    8. ビア径: 0.8-6.35mm
    9. ボード外形と配線やシルクとの離隔: 0.2mm(推奨0.3mm/12mil)
    10. ドリル穴同士の離隔: 0.45mm

    設定画面




    • Tools → Design Rule Check で遭遇したエラー
    1. Track to Pad error (T-P): パッドと配線の離隔不足。すべて修正。
    2. Track to Board Error (T-B): 配線と基板外形の離隔不足。基板サイズを変更して対応。
    3. Component to Board error (Cm-B): 部品と基板外形の離隔不足。基板からはみ出して部品を配置したので出た。わざとやってるので無視。
    4. Component to Component Error (Cm-Cm): 部品と部品の間の離隔不足。基板実装タイプのBNCコネクタの裏側にチップコンを配置したら出た。支障ないので無視。
    5. Dangling Track: 未接続や途中で切れているような不完全な配線パターンあり。地道に取り除くしかない。
    6. Track to Drill Hole error (T-D): 太い配線パターンがドリル穴を覆っているため。ビアに対して配線幅が太すぎ(電源)のため。大きなビアにすれば良いのでしょうがわざとやってるので無視。
    7. Pad to Silkscreen error (P-S): パッドがシルクと重なっている。重なったらシルクが欠けるだけでは?と思ったが製造会社によって違うらしい。仕方ないのでライブラリも含め、一つずつ修正。
    8. Via to Silkscreen error (V-S): ビアがシルクと重なっている。7と同様。

    ガーバ出力

    • ELECROW 向けのデータは、FusionPCB と同じで良いみたいです。ガーバ出力の手順は、慶応義塾大学ロボット技術研究会ブログにも転載されている)に詳しいです。
    • 外部ツールのガーバビューワで出力されたファイルの妥当性を確認します。ビューワはいろいろあって、GC-Prevue(使い方はこちら)と Gerbv(使い方はこちら)を試しました。後者のほうがシンプルで動作が軽快でした。⇒ Gerbv は不適切な表示になる場合あり
    • Drill Ident Drawing.gbr が何を表示しているのかよくわからないが、ELECROW には必要ないのでスルー
    • ガーバ-ファイルを ELECROW の基準に合わせリネームし、ZIPで圧縮します。
    1. Bottom Copper.gbr : pcbname.GBL
    2. Bottom Silkscreen.gbr : pcbname.GBO
    3. Bottom Copper (Regist).gbr : pcbname.GBS
    4. Drill Data – Through Hole.drl : pcbname.TXT
    5. Top Copper.gbr : pcbname.GTL
    6. Top Silkscreen.gbr : pcbname.GTO
    7. Top Copper (Regist).gbr : pcbname.GTS
    • ELECROWのドリル径は0.05mm単位、インチ/ミリ変換時に端数が出ると大きいサイズが選ばれるらしい
    2017.5.11追記
    DSの中の人からコメントを頂き、記事の修正を行いました。ありがとうございました。

    1 件のコメント:

    1. DSの中の人です。

      DSPCBを取上げて頂きありがとうございます。素晴らしくよくまとまっていて大変感謝いたします。いくつかコメントさせてください。

      ① クイックスタートガイドのリンクが変わりました
      以下にリンク頂けると助かります。うちの都合でご迷惑おかけします。
      https://designspark.zendesk.com/hc/ja/sections/202363705


      「回路図変更後の基板への反映は、PCB Design 画面で Tools → Schematic/PCB Check」
      は 正しくは「Tool→ Forward Design Change」


      「配線後の修正は、直角⇔45度曲げの変更しかできない」
      45度配線にした後、右クリックメニュー → Arc → Angle XX で曲線に変更できます。


      「Gerbv は不適切な表示になる場合あり」
      おっしゃる通りGerbvはバグがあるようです。他のビュアーが良いと思います。


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