2009年3月21日土曜日

デジタル式のFMトランスミッタ

 FMトランスミッタで、電波に音を乗せる変調回路は最も音質などの性能に関わるところのひとつでしょう。この変調回路、PLL制御のVCOにバリキャップ・ダイオードで直接FM変調をかけるのが一般的でしたが最近では、FM変調回路やステレオ変調処理と言った周辺回路含めデジタル処理を行うタイプの専用チップが登場しています。
    3V動作、アナログ音声入力、送信周波数87.5-108MHz、歪み率0.4%、SN55dB、
   セパレーション35dB、パッケージは7mm角のモジュール。
    新潟精密はRF CMOSと呼ばれる、無線用のアナログICチップで有名だったようですが、
   残念なことに倒産してしまい、民事再生したいま同社のHPには、このチップのことは
   触れられていません。
    このチップは秋月電子で、チップ単体はもちろんキットまで売られています。ただ、
   送信周波数範囲が海外仕様のため、88MHz以上しか出ないのが残念なところです。

2.7~5.5V動作、アナログ/デジタル音声入力、送信周波数76-108MHz、
   歪み率0.1%、SN58dB、セパレーション35dB、パッケージは3mm角のQFN20ピン
    特筆すべきは、デジタル式のオーディオダイナミックレンジコントロール(コンプレッサ)を
   内蔵していることです。アタックタイム、リリースタイムをセットできるデジタルコンプが、

   こんな小さなチップに入ってしまうなんて信じがたいところがあります。

    このチップの問題点は、手ハンダをやりにくいことと、データシートが入手難なところでしょうか。
2.7~3.6V動作、アナログ/デジタル音声入力、送信周波数76-108MHz、
   歪み率0.1%、SN69dB、セパレーション規定なし、パッケージは5mm角のQFN32ピン
    2008年の新製品のようです。後発のため特性が改善されているように見えます。
   国産ですし、製品への採用が広がれば個人レベルでも入手できるようになるのでしょうか。

    ・・・2009.3.29追記
      ロームのデータシートをよく見たら、デジタル処理なのは
      ステレオコンポジット信号処理段までのようです。
      コンポジット処理部のDACからMOD ADJを通り、COMP OUTピンに接続されています。
      おそらく、FM変調をかけるところは従来通り外付けのバリキャップをVCOに装荷して
      使う形態なんでしょう。

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