2009年3月19日木曜日

トランスコ同軸リレーの内部

ジャンクでギガヘルツ帯の高周波回路用のリレーとして見かけることのあるトランスコ社。・・・ネットで検索しても出てこないと思ったらDow-Key Microwaveという会社の傘下に入っているみたいですね。
ジャンク箱整理中にかなり年季の入った同社の同軸リレーを見かけたので動作チェックをしてみました。が、スイッチを切り替えるたびに数デシベル単位で通過損失が変動します。アイソレーション特性はかなり優れているものの、リレーとしてはちょっと使える状態にはありません。どうせ捨てるならと、ふたをあけて中身を覗いてみました。


外観。年代物です。
4つの同軸ポートがあって、たとえば

 状態1: J1-J2接続, J3-J4接続
 状態2: J1-J3接続, J2-J3接続

のような感じで切り替わります。

この製品は上記のような接続ではないようですが・・・。








ふたを開けてみました。
意外にシンプルな中身。正直、つまらなくてがっかりです。
黄色いのはリレーのソレノイド(電磁石)です。









接点部分の拡大。白い球形部分です。
この白い玉は絶縁体みたいで、
ソレノイドの動きに合わせて電極の先の白い玉がくっついたり離れたりします。どうもリレーの接点は非接触型みたいで、白い玉部分の静電容量の増減でスイッチ動作が成り立っているようです。
接触していないなら接触不良の心配はなく、高信頼!といいたいところですが、電極が物理的に変形したりして、相互の距離が変化すれば静電容量も変わることが予想されます。
今回みたいに通過損失が変わるのは、落下などで電極が微妙に変形してしまった!?ため、切替のたびに電極の位置関係が一定していないのが原因?でしょうか。







このリレー、具体的なデータはなくしてしまいましたが、オフアイソーレーション特性が優れていました。確か、1GHzで70dB以上とかなりのものです。測定器とかに使うのでしょうか?

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