2011年8月8日月曜日

中華ラジオDEGEN DE1103 音質改善改造

去年の夏に購入した愛好者3号DE1103。スピーカの音質は良いのにどうも音割れして聴きづらいのでなかなか使う機会もなく放置状態でした。東京に引っ越してきてAFNを聴きたくなりちょっと原因を調べてみます。

どうせ内部のどこかで飽和しているんだろうとまずはオシロでチェック。APB-1を信号発生器(10MHz AM変調度100%)として、40dBのアッテネータを通してDE1103に接続します。


DE1103は内蔵アルカリ乾電池動作、VOL=10、LO/DXをLOにセットしたときの波形です。黄色がライン出力、青色がヘッドホン出力で、ヘッドホン出力の波形が明らかに歪んでいます。音量ボリュームを変更すると音量は変わるものの波形は歪んだままです。この結果からヘッドホン系のアンプに問題があることがわかりました。

DE1103は有名な受信機なのでWebにもたくさんの紹介記事があります。ひろくんのホームページには海外サイトの回路図まで転載されていてとっても参考になりました。この回路図によると、AM/FM復調信号は2分岐して、ひとつはソニーCXA1622Pでヘッドホン/スピーカを駆動、もうひとつはLM358でライン出力していることがわかります。音量調整はCXA1622Pの内蔵回路で行っているのでCXA1622Pで過入力になっているようです。上の波形を眺めながら本来の波形を想像すると、CXA1622Pの入力レベルを現状より1/4くらいに絞るといい感じになりそうです。

今回手を入れたのは、CXA1622Pに接続するラインに入っているR226(R228)とR223(R224)の抵抗で、実物にはそれぞれ3kオームと2.2kオームが使われていました。これを4.7kオームと510オームに交換します。この抵抗は、メインボード裏のシールド板の中にあります。

最初、R226(R228)のみを22kオームに交換したところ、歪みが余計にひどくなってしまいました。どうやらこの抵抗は前段のIF処理IC TA2057の負荷抵抗にもなっていたのが原因のようです。


DE1103の内部です。基板はキタナイし、手作り感があります。大きなハンダくずが入っていたのには驚きました。3枚目の写真のハンダは中に入っていたものです。製品の企画はよいのに、製造はまだこれからなんだなぁと感じます。




さて、交換する抵抗は右側にある大きめのシールド板の中にあります。1608サイズのチップ抵抗で、交換前と取り外したところの写真を載せておきます。





抵抗を交換した結果、歪み感がなくなりなりました。波形をみると、ヘッドホン出力(青色、VOL=20)の波形に歪みはありません。ライン出力(黄色)のほうは少しサチっていますけど、使わないからこのまま放置です。


次にボリューム最大時(VOL=63)の波形です。少しサチっていますけど、電池動作だから仕方がないですね。







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