2009年10月18日日曜日

FMステレオチューナ: AVR覚え書き




とりあえずLEDが点灯
先は長いね












最初の作業の覚え書き(CPU: ATMEGA64, 書き込み機: AVRISP II)

ダウンロード時には登録を求められるも、AVRWikiの『最新情報』をよく見ると、
   登録不要なリンク先が書いてある
  • AVRISP IIをPCのUSBに接続
  • AVRStudioにドライバが含まれているのでドライバは自動的にインストールされる

AVRStudioの覚え書き
  • まず、"Project" → "Configuration Options" でデバイスとクロック周波数を指定する
  • Cで開発するには、Makefileをソースと同じフォルダにあらかじめ置いておく
"Build" → "Export Makefile" で作成
  • ソース作成後、"Build" → "Build" でプログラムデータ(hexファイル)が生成される
  • "AVR"アイコン(Connect to the Selected AVR Programmer)をクリック
  • "Program"タブの"Flash"項でhexファイルを指定して、"Program"をクリック。


ATMEGA64では、ISPをMOSI, MISOに接続してはいけない

 Setting mode and device parameters.. OK!  Entering programming mode.. FAILED!  Leaving programming mode.. OK!

というメッセージが出てISPに失敗します。
FAQによると、ISPクロック周波数が、AVRのクロック周波数の4分の1以下にセットせよと書いてあるが、設定を変えてもダメ。ググったところ、MISO, MOSIの罠なんて記事が。
なんでもATMEGA64のMISO, MOSI端子はSPI接続用で、ISP機能のMISO, MOSIはPE0, PE1に割り当てられています。みんな、はまっているんやね。





  ATMEGA64のピンアサイン
  MOSI, MISOはPB2, PB3
  (これはSPIインターフェース)






















  ISPのピンアサイン
  MOSI, MISOはPE0, PE1
  











初期設定はATMEGA103互換モード
紛らわしいので、Fuseビットを操作して互換モードを解除。
AVR Studioの操作画面では、ヒューズをイメージしているらしく、チェックありはヒューズが飛んだので論理0。チェックなしは、ヒューズがつながっているので論理1。違和感ありあり。




ヒューズビット表示
チェックあり: 論理0 (L)
チェックなし: 論理1 (H)
















すごく参考になったページ

2009年10月12日月曜日

FMステレオチューナ: 電源(2)


1.ドロッパ型電源

 回路としてはすごく基本的でカンタン!と思っていましたが、まじめに考えると難しく思えてきました。手元にあった「トランジスタ技術SPECIAL N0.28 特集 最新・電源回路設計技術のすべて」の解説記事を見ながら、ひとつひとつのパーツの仕様を考えていきます。

  • 電源の仕様
この電源には、チューナ基板本体と外付けプリアンプ基板を接続します。
    電源電圧はチューナ基板に合わせ5Vとします。負荷電流は450mAを予定していますが、
    余裕を考え、仮に1.2倍として600mA程度とします。

  • 電源トランス
電源トランスの2次側電流容量は、電源出力の平均電流の1.5~1.7倍を選定するそうです。
    従って電源出力を600mAとすれば、トランス2次側電流容量は900mA以上必要と
    言うことになります。

    電源ハムの影響を極力避けるためリーケージフラックスが小さいトロイダルトランスとして、
    RSコンポーネンツでアイルランドNuvotem Talema社製70000Kシリーズの
    基板実装タイプを購入しました。ブルーの小型トランスで、よくオーディオの自作でも
    使われています。

Nuvotem Talema社トロイダルトランス(カタログより)


    他にもAmveco社の製品がDigi-Keyで入手できます。

    さて、この製品の仕様は1次電圧115Vで規定されています。
    これを100Vで使用したらどうなるのでしょうか。
    2次側の電圧は、1次側に比例するので100/115になります。
    電流は、トランスの巻線の太さで決まるので上限は変わらないはずです。
    ただ鉄損(コアの損失)と銅損(巻線の抵抗による損失)が減少するので厳密には
    僅かに多めに取れると思いますが、安全を考えて、やはり変わらないと考えることにします。
    
    今回は、細かいことを考えずに 70041K を選んでしまいました。仕様は次の通りです。

      容量: 10VA
      1次電圧: 115V

      2次電圧: 9V 556mA ×2巻線

      2次開放電圧: 10.8V
      効率: 82%

    1次電圧を100Vとしたときの、2次電圧は 9V×100V/115V=7.8V。(定格電流時)
    2次巻線はカタログに『Primaries and secondaries for parallel or series connection』
    とあるので、少々抵抗を感じますが並列接続します。接続時には極性に注意しないと
    短絡してしまいます。電流は 556mA×2=1,112mA となります。

    ところで、トラ技SPECIALの記事によると、トランスの電圧変動率ε を求めておくと、
    回路定数を求めるのに便利ということで計算しておきます。

電圧変動率ε
V'2: 2次側開放電圧
V2: 2次側定格電圧

    上の式より、(10.8V-9V)/9V=0.2 となります。これは1次電圧は115Vの場合ですが、
    100Vの場合はわずかに改善されるものと思いますが、同じと考えておきます。

    この電圧変動率εから、2次側短絡時の1次側の電流を求める事ができます。

2次側短絡時の1次側の電流I1s

    この場合、(7.8V×1.112A/100V)×(1+0.2)^2/0.2=0.62A となります。

    2次電流を1次側に換算するには。(V2/V1)×(1+ε) を掛ければ、求める事ができます。
    たとえば、3端子レギュレータの出力が短絡した場合に1次電流を求めてみます。
    使用した3端子レギュレータμPC2405Aには、1.2Aで動作する過電流制限回路が
    内蔵されているので、このときの1次電流は (7.8V/100V)×(1+0.2)×1.2A=0.11A となります。
    
    次に、トランスの出力はブリッジ接続されたダイオードで整流された後、平滑コンデンサで
    比較的フラットな電圧となりますが、負荷が接続されるとコンデンサの充放電のため
    リプル成分をもち変動します。

    一方、3端子レギュレータは、入力電圧は出力電圧よりも高くする必要があり、その電圧差は
    最小入出力間電圧として規定があります。従って、平滑コンデンサのリプル電圧の下限は
    最小入出力電圧をクリアしている必要があります。

    平滑コンデンサの平均電圧とリプル電圧の概算値は、次式で計算できるそうです。
平滑コンデンサの平均電圧(概算値)
Io: 出力電流
Vf: ブリッジダイオード1素子のドロップ電圧


リプル電圧の振幅(概算値)
f: 交流周波数
C: 平滑コンデンサ容量

    上式より、平滑コンデンサの平均電圧
    7.8V×0.9×(1+0.2)×√2 - 3×0.6A×(7.8V/1.112A)×0.2 - 2×0.5V = 8.39V
     ※但し、商用電圧変動による電圧低下を90Vとみた

    リプル電圧の振幅
    3/4 ×{0.6A/(2×50Hz×0.0066F)} = 0.68V
     ※但し、条件が厳しくなる50Hzを想定した

    リプル電圧の下限は、Vc - 1/2 ×ΔV より、
    8.39V - 1/2 ×0.68V = 8.05V となります。

  • 整流ダイオード
ブリッジ型に接続する全波整流回路としました。
   定格電流が電源出力の平均電流の1.25倍を選定するそうです。トランスとダイオードで
   この倍率が異なる理由として、「トランスの巻き線抵抗がほぼ純抵抗であるのに対して、
   ダイオードは順方向ドロップ電圧と抵抗の合成になっているため」と説明されています。(?)

   電源出力の平均電流を0.6Aとすれば、ダイオードの定格電流は 0.6A×1.25=0.75A 以上の
   ものを選定すれば良いことになります。
   また、尖頭逆電圧VRMは、次式を満たすものを選定します。

ダイオードの尖頭逆電圧

   2×√2×1.1×7.8V×(1+0.2)=29Vとなります。
    ※「1.1」は、商用電圧変動の最大値110V。

   今回、秋月電子で販売しているPanJit Semiconductorのショットキーバリアダイオード
   1N5822を選定しました。定格は40V 3Aで、ドロップ電圧が0.525V(@3A)と
   一般のシリコンダイオードよりも低いのが特長です。

   小さいとはいえ、電圧ドロップがあるので発熱します。リード線を長めに実装したり、基板の
   パターンを広めに取るなど配慮が必要です。

  • 平滑コンデンサ
コンデンサには大きな充放電電流(リプル電流)が流れているため、
   コンデンサの等価直列抵抗成分(ESR)による発熱が生じます。このため、コンデンサには
   充放電電流の実効値の最大値(許容リプル電流値)の規定があります。

平滑コンデンサのリプル電流(単位A)
Io: 出力の平均電流


平滑コンデンサ容量の目安(単位F; ファラド)


平滑コンデンサの耐電圧


    平滑コンデンサのリプル電流
    1.12×0.6A = 0.67A
 
    平滑コンデンサ容量
    (2.5×0.6A) / (7.8V×50Hz) = 0.0038F = 3800μF以上
     ※但し、条件が厳しくなる50Hzを想定した

    平滑コンデンサの耐電圧
    1.55×7.8V×(1+0.2) = 14.5V以上

    これらの条件をもとに、手持ちの都合もあり日本ケミコンKMHシリーズの
    3300uF 50Vを2並列としました。定格リプル電流も1.85Aですし問題ありません。

  • 3端子レギュレータとヒートシンク
3端子レギュレータには、最小入出力間電圧が小さいμPC2405Aを選定しました。
   最小入出力間電圧は標準0.5V、最悪値1Vです。
   出力電圧は5Vなので、リプル電圧の下限は6V以上必要です。
   リプル電圧の計算値は8.05Vなので余裕があります。可能なら、電源トランスの2次電圧を
   より低いものに交換すれば、効率あがり発熱も有利となります。

   次に発熱について検討します。
   最も不利な条件として、商用電圧変動で110Vとなった場合の平滑コンデンサの平均電圧
    7.8V×1.1×(1+0.2)×√2 - 3×0.6A×(7.8V/1.112A)×0.2 - 2×0.5V = 11.04V

   従って、3端子レギュレータの電力損失
    (11.04V -5V)×0.6A = 3.6W

   この電力損失の放熱のため秋月電子のヒートシンクを使用します。ただ、このヒートシンクの
   仕様はサイズが30×30×30であることのほかは、熱抵抗すらわかりません。
   そこで形状が似ているリョーサンのIC-3030-STLを参考にします。
   この仕様書のグラフによると、3.6Wの場合、50度の温度上昇があることがわかります。

   これは、負荷電流に若干の余裕を見ているとはいえ、もうワンサイズ大きなものにしたほうが
   良いような気がします。実際に温度上昇を確認して対応を考えることにします。

  • ACインレット
ケースからAC電源コードを直接引き出すのは不格好なのでACインレットを使い、
   電源コードを分離できるようにします。たまたまジャンクでACノイズフィルタとヒューズホルダを
   内蔵したトーキン(現NECトーキン)製のものを入手できたのでこれを使います。

  • ヒューズ
電源トランスの1次側に挿入され、AC入力から3端子レギュレータ入力までの間で起きる
   短絡事故によるケーブルやトランスの焼損を防ぐために使用します。
   電源トランスの2次側で短絡事故が発生したときに溶断しますが、電源投入時の突入電流や
   3端子レギュレータの出力短絡時の過電流(1次側換算0.11A)では切れないものを選定します。

   電源投入時の突入電流としては、電解コンデンサが充電されるまでの、数サイクル(30ms程度)
   の間、電源トランス2次側短絡(1次側換算0.62A)と同様の電流が流れます。

   これらの条件から、
   『電流容量は0.11A~0.62Aで、30msにおける溶断特性が0.62A以上のもの』
   をヒューズの仕様書により選定することになります。

   今は、手持ちの都合で0.8Aのヒューズを使用することにしていますが、
   これでは大きすぎてトランス2次側が短絡しても飛ばずトランスを保護できないことがわかりました。

2009年10月11日日曜日

FMステレオチューナ: ケーブルの圧着

 基板間を結ぶケーブルのコネクタを圧着します。

 今までは、基板用コネクタのピンははんだ付けしてきましたが、エンジニアのPA-09という圧着器を導入したので使ってみることにします。ところが、圧着器を目の前にして、ピンをどのようにセットすればよいのかよくわかりません。PA-09でググってみたところ、PA-09の使用レポートを紹介しているページに写真付きで解説がありました。おかげでちゃんと初圧着に成功です。

 PA-09には、4種類のダイスが付いていますが、コネクタや使用するケーブルによって適切なサイズを選ぶ必要があります。製品の説明書に電線サイズごとのダイス選定表がついていますが、エンジニアのページにはコネクタメーカ・製品別の選定表が掲載されています。

・・・エンジニアのWebを見ていたら、固着したネジやナメたネジを回せる『ネジザウルス』が発売されています。CG動画まで掲載されていて力が入っています。確かに画期的。これ、ひとつ工具箱に入れておきたいなぁ。





PA-09で圧着


















プリアンプ接続用の
同軸ケーブルも圧着

2009年10月10日土曜日

FMステレオチューナ: Lattice XP2用 USB対応書き込み機

 パラレルポート付きPCを求めて彷徨うのは面倒ですので・・・、USB対応の書き込み機を製作することにしました。

 製作したのはなひたふ電子で紹介されているトランジスタ技術2008年7月号付録のNEC78K CPUボードを利用したものです。この書き込み機は、Lattice純正のダウンロードケーブルとは互換製がないため、専用の書き込みツールを使うことになります。

 製作に際しては、NEC78K CPUボードの入手がカギとなりますが、幸いマルツパーツが同じ仕様のボードを継続販売(型番M78K0F0730)しています。





NEC 78K0マイコンボード

















製作
 なひたふ電子のページを参考に、74LCX244を使って3.3V系へのレベル変換を行う追加基板を製作しました。汎用的に使うことは考えず、ディジタルデザインテクノロジ誌の付録基板にそのままザクッと差し込めるものにしています。




回路図














プリント基板のアートワーク















完成写真
マイコンボードに、USBコネクタ
とポリスイッチを追加















完成写真















ソフトウエアインストール方法

  • NECエレクトロニクスから78KのUSBシリアル変換ドライバをダウンロードし、任意のフォルダに解凍しておく。
  • 解凍したファイル
DRIVER/win2k/necelusbvcom.inf
    をエディタで開き、"PID_01CD" を "PID_FFFD" に変更する。(2chの記事を参考にしました)
     ※変更しないと「ドライバが見つからない」と言われます。

    2009.10.12追記
    マルツパーツからもドライバをダウンロードできます。
    この場合、上記のPIDが修正済みです。(インストールの確認はしていませんが)
  • 書き込み機にUSBケーブルを接続すると、ハードウェアの更新ウィザードが起動する。
ドライバのフォルダ
    DRIVER/win2k/
    を指定する。
  • なひたふ電子のWebページからXP2専用JTAG書き込みソフトウエアをダウンロードし、解凍する。
  • USB-JTAGのファームウエア書き込みのため、初回に限りDOSプロンプトから解凍したファイルを実行する。
> xp2jtag -detect

    このプログラム起動時には、ファームウエアのダウンロードに続き、
    FPGAデバイスの検出を行います。FPGAに接続しなくてもダウンロードは可能です。



書き込み方法

 FPGAへの書き込みは、コマンドプロンプトで次のように入力します。

  > xp2jtag -auto ファイル名

 ただし、ファイル名は絶対または相対パスで指定します。





FPGAに書き込み

















書き込み作業中

2009年9月29日火曜日

FMステレオチューナ: 基板の製作

 今度は、感光基板の製作です。

 サンハヤトの基板製作手順をチラチラ見ながら作業を進めていきます。ただ、困ったことに感光基板はモデルチェンジで「クイックポジ感光基板」というものに変わってしまいました。感光基板製作の勘所は、個々の製作環境での感光時間の管理(露光装置、パターンフィルムの透過率、基板の感光感度)にあると思いますので、おかげで最適な感光時間を再度調べ直さなくてはなりません。


1.パターンフィルム
 基板エディタからアートワークをインクジェットプリンタでOHPフィルムに印刷します。パワポ全盛のいま、OHPフィルムは絶滅危惧種かもしれませんが、画材屋さんでTooのOHPクリアフィルムを入手しました。
 インクジェットプリンタには、キャノンのMP630を使いました。しかし困ったことに用紙設定でOHPフィルムが選べません。しかも、以前のPIXUS 860iと比較していまいち印刷ムラが多く美しくありません。いろいろと試行錯誤して、用紙の種類「Tシャツ転写紙」で濃度を最大としたところそれなりとなりました。印刷ムラはありますが、サンハヤトの露光テストチャートNZ-PT001 と比較すると、7番から8番くらいの透過度かなぁというところです。
 パターンフィルムの印字面は感光基板の感光面に向かいあわせになるようにしたいところですが、Tシャツ転写紙モードでは反転して印刷されてしまいます・・・。
 




パターンフィルム
OHPフィルムに印刷











 基板製作手順には、参考になることがいろいろ書かれていますね。パターンはサイドエッジ効果で細く痩せるので、パターンは太めに、間隔は少し狭くするとよいそうです。(例:パターン0.3mm、ギャップ0.3mmではパターン0.45mm、ギャップ0.15mmなどとする)このほか、チップ部品のランドは大きめにした方がはんだ付けがラクになるとのこと。


2.露光
 前述の通り、感光基板製作で一番重要なプロセスというか、失敗ポイントです。私の作業環境ではパターンが流れてしまった場合よりも露光不足で不要なパターンが残ってしまって失敗するケースが多かったです。必要な露光ができれば、それ以上の露光は必要ないのでサンハヤトのおすすめ露光時間というのは、当然必要最小限を指定いるはずです。従って、パターンフィルムの出来(遮光性)に問題がなければ指定時間より長めに露光しても構わないのでは、と感じています。

 今回使用した露光装置は、サンハヤトの ちびライトBOX-1 です。位置によって光量ムラが多いので最大サイズの基板を何も考えずに露光すると四隅が露光不足になります。改善品として ちびライト2 BOX-S1000 にモデルチェンジしていて、光量が多い中央部に特殊デフューザと称するプラスチック板のようなものが取り付けられています。何だかなぁ~!





ちびライト BOX-1 (おもて)
ちびライト2ではタイマーが
省略されました。必須なのにね。














ちびライト BOX-1 (うら)


画像を追加












露光不足の例
100×150mm、旧感光基板
中央部より周囲の光量が少ない
ので露光不足となった









 露光に際しては、感光基板とパターンフィルムをぴったり密着させなくてはなりません。ちびライトには簡単な露光クランプが付属していますが、私は古いバキュームクランプを使っています。観賞魚用のエアーポンプでクランプ内の空気を吸い出し基板とマスクフィルムが密着します。





バキュームクランプ
片面は薄いフィルムなのでいずれ
破けそうです















露光作業

















新しい感光基板は「クイックポジ感光基板」と言うだけあって、露光時間は短くなっています。露光時間の目安はサンハヤトのページに掲載されていて、露光装置の形式と感光基板の製造経過時間から露光時間を調べます。





ちびライト BOX-1の
露光プロファイル
基板製作手順から抜粋














 このプロファイルによると、100×150mmの基板では基板の端の露光不足を補うため長めに露光することになっています。ただ、その場合基板中央部は露光過多になるため、現像時には注意しろと書かれています。(でも仮に不都合があったとしても現像時では手遅れだと思います。)

 クイックポジ感光基板を使うのは、初めてですので手始めにテストチャートを使って見ることにします。今回はちびライトで100×150mmの基板を製作しなくてはいけないので、基板の端に当たる部分と基板の中央部にあたる場所にテストチャートをセットして試験露光させてみました。
 現像結果には若干の差はありますが、問題はなさそうです。





試験露光・現像後
製造後2.5ヶ月の基板
露光時間220秒
(100×150mmサイズ専用
 プロファイルを適用)

上の基板:露光器中央部の場合
下の基板:露光器端部の場合












3.現像 まず現像液を作ります。現像剤DP-10をお湯に溶かします。現像液は何枚かの現像に使えるので保管も兼ねてホームセンターでポリエチレン容器を買ってきました。(手順書には、使用済みの現像液8時間以上経過したものは破棄しろとあります。やっぱダメですか。)使ううちに現像液は真っ黒になってきます。




ポリ容器
目盛りも付いていて便利
















 大きめの容器にお湯を入れ、温度計で確認しながら現像液を25~30度に調整します。現像液は弱アルカリ製で手に触れると荒れるのでゴム手袋をはめて作業します。下の写真は一度現像に使用したあとのもので黒っぽく変色しています。



現像液の準備
温度を温度計で確認











 露光済みの感光基板をドボンと浸け、容器ごと、あるいはピンセットや割り箸などで基板を揺すると30秒から1分ほどで不要なパターン部分の感光皮膜が溶けていきます。パターンが混み合ったところの現像が遅れる場合があるので、私はハケでなでながら作業を進めます。ピンセットはゴムカバー付きの市販品もあります。
 露光不足の場合、なかなか感光皮膜が溶けない場合があります。このとき、水洗いしながらゴム手袋の指の腹のところでゴシゴシこするとうまくとれてくれたことがありました。
 パターンが鮮明に現れ、現像が完了したら、それ以上現像が進まないよう、水洗いします。手順書によると、流水はダメとありますが、私のところでは流水が原因で失敗した経験はありません。

 基板を乾燥後、パターンの切れなど不都合がないか目視確認します。適宜、カッターやレジストペン(ペイントマーカなど)で修正します。





製作した基板を現像
パターンの色が薄い













4.エッチング
 エッチングには、サンハヤトの卓上エッチング装置ES-10を使っています。ES-10は観賞魚用のエアポンプが付属していて、ブクブクと空気を送り込み、迅速にエッチングができるというものです。

 エッチング液は、いちばんメジャーな塩化第二鉄を使っています。ES-10をマトモに使おうとすると1リットルも必要になります。サンハヤトの製品もよいのですが化学薬品のお店で購入すると比較的安いです。画材屋さんの銅版用のエッチング液でも使えるそうです。
 この紅茶色の液体は服に付着すると取れないので要注意。上蓋の開口部からエッチング液が周りに飛ぶので新聞紙で入念に養生します。エッチング液を注ぐ際には、プラスチック製の漏斗があると便利です。(使わないと非常にこぼしやすいです)
 
 観賞魚用のヒーターで加熱して、温度計で確認しながら液温を40度前後に調整しておきます。





エッチング装置ES-10















 ES-10によるエッチング作業は、基板端部に穴を開け、チタニウム線(エッチングで溶けない針金)で上蓋から吊して行うことになっています。ところが、泡の影響なのかこの穴の周りだけパターンがうまく溶けてくれません。そこで、基板の裏側にチタニウム線の先を曲げてガムテープで貼り付けて吊したところ、作業中に基板が脱落することもなくうまくエッチングできました。両面基板では、この手は使えませんが。





チタニウム線をガムテープで貼り付け













 エッチングは、10分程度で完了します。パターンの形状によっては早く進行するので、数分毎に基板を引き上げて進捗を確認します。エッチングが完了したら、基板からエッチング液を洗い流します。エッチング液が乾くとなかなか落ちないので汚れた機材も直ぐに洗いましょう。使用済みのエッチング液は銅が溶け込み有害なので、水道に流してはいけません。エッチング液そのものは何度も使えます。





エッチング後
まだ感光皮膜は残っています









 次に、余分な感光皮膜を除去します。スチールウールやクレンザーでこするとカンタンに取れますが、銅箔に細かなキズがついてしまいます。そこで、再度露光して現像液に浸ければ美しく仕上げることができます。


5.穴開け
 はっきり言って面倒な作業です。穴あけには手持ちのハンドドリルでも使えないことはないのですが、正確な穴あけが難しくボール盤が一番です。私はスペースの都合からプロクソンの卓上ボール盤を選びました。パワーはありませんが、基板の加工なら申し分ありません。





穴開け作業
作業場所に困って廊下で作業
なんかマヌケな作業風景です












6.基板のカット
 今回は、複数の基板を1度に製作したので切り分けます。基板の切断にはPカッタが定番ですが、
ガラスエポキシ基板は固いので、すぐ刃先がダメになってしまいます。そこで便利ツールとして、ホーザンのPCBカッターを導入しました。高価なツールですが、パーツランド(旧ニノミヤ無線)のセールでついつい購入。でも全然使わないので買ったことを後悔していたところ、使い勝手がおそろしく便利で感激でした。





穴開け・カット後の基板













2009.10.4追記
製作した基板の写真を追加掲載

2009年9月24日木曜日

FMステレオチューナ: 電源(1)

 次は電源の検討です。いままで無線LANルータ付属のスイッチング電源タイプのDCアダプタを使ってきましたが、耳に付くノイズなど特に違和感を感じることはありません。ただオーディオの世界ではスイッチング電源は敬遠されているので、FMステレオチューナ基板本体についてはトランスを使ったドロッパ電源を試してみます。
 操作表示部については、消費電流の見積もりを見誤ったこともあり、スイッチング電源ユニットを併用します。


負荷の消費電流
 負荷としてはFMステレオチューナ基板本体と選局操作部があります。それぞれの消費電流の見込みは次の通りです。

 FMステレオチューナ基板本体
 ディジタルデザインテクノロジ誌の記事中に5Vで約450mAとされています。

 選局操作部
 電気喰いのパーツとしては...  Avagoの7セグLEDが最大105mA×5桁=525mA、  LITE-ONのドットマトリクスLEDが5行×7列×30mA×デューティ1/5=210mA 、
 その他のパーツの消費電流は圧倒的に少ないので無視すると、
 選局操作部の基板合計で735mAとなります。(電圧は5V)



回路図
 オーディオの世界ではディスクリートパーツによる電源回路が流行っているようですが、ここは簡単のために三端子レギュレータを採用します。





回路図
ドロッパ電源部とスイッチング電源部
ともにDC5V出力

2009年9月17日木曜日

FMステレオチューナ: プリアンプを外付けに

 現在頒布されている両面基板では改善されているそうですが、片面基板ではデジタル系のノイズの影響を受けて受信特性が劣化しているとのことで、基板内のプリアンプを外付けに変更することにしました。とりあえず基板のアートワークまで作成してみました。

 回路としては、雑誌掲載のものと基本的なところは同じですが、プリアンプ用のICを変更したので少し手を入れています。




プリアンプIC "ABA-52563"
Avago Technologies












 元記事では、Mini-CircuitsのERA-3が使われていましたが、入手しづらいのでDigi-Keyでも購入できるAvagoのABA-52563を選んでみました。なんと言っても価格(@97)がステキです。ERA-3と比較すると、ややスペック的に劣る項目があるものの実用上それほど差はないと思っています。ただ、パッケージがピンピッチ0.65mmのSOT-363なので基板を起こさないとはんだ付けがしんどいですね。





回路図
















プリント基板のアートワーク











 Minimal Board Editor(プリント基板エディタ)にパーツ登録をしていて気づいたのですが、FCZコイルのピンピッチは2.54mmピッチではないんですね。データシートによると07Sタイプで2.25mmピッチでした。

2009.9.22追記
高周波アンプICのABA-52563はERA-3と互換性がないので差し替えできません。