(1)あらまし
FM変調器は音声信号を電波に乗せるFMトランスミッタの心臓部です。従来はVCO(Voltage Controlled Oscillator; 電圧制御発振器)に与えられる制御電圧に音声信号を加えFM変調を行うアナログ式が主流でしたが、最近ではNCO(Numerically Controlled Oscillator; 数値制御発振器)を利用してデジタル処理でFM波を生成する方法も使われています。
デジタル処理なら正確無比な変調を行うことができ、アナログ式の課題であった変調直線性や安定度などは一挙解決するはずでしたが、問題はそれだけではありません。NCOを正しく実現するには、様々な技法や幅広い知識が要求されます。正直わからないところだらけですが、デバイスの進歩や開発環境の充実等により個人の趣味ベースであっても以前とは比較にならないほど「デジタル処理」に親しみやすい状況になりつつあるように感じています。
なお、勉強しながら記事を書いているので、間違えなどお気付きの点があればご指摘頂くとありがたいです。
(2)デジタルFM変調器
NCOにはDDS(Direct Digital Synthesizer)が広く使われています。専用ICとしては、Analog Device社が多くの製品を製造しています。特にAD9851は180MHzのクロックレートで動作し10ビットD/Aコンバータまでも内蔵していて早くからローコストで入手できたこともありアマチュア無線での自作例も多いようです。
DDSが生成する周波数は、周波数設定レジスタに与えるデータにより決めることができるので、このデータを音声信号に応じて逐次適切に変更するだけで、FM変調を行うことができます。
DDSを使ったFM変調
DDSの周波数設定データを音声データで変化させればFM変調をかけられる
2009年7月20日月曜日
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