スペアナを所定の周波数にセットしてズームアップすると、13chの台形スペクトルの上端にそのパイロット信号らしきモノが見えます。アベレージングをかけると確かにキャリアが浮かび上がってきました。
ARIBの標準規格 STD-B31 地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式 を紐解いて頑張って調べたところ、これはCP(Continual Pilot)という受信機の同期・復調用の信号だとわかりました。(ARIBの規格書、以前は自由にダウンロードできたのに今は有料になってます)さて、前述のブログ記事には、
上端パイロット信号は公称周波数+39/14MHz(+2.785714MHz)とあります。これをARIBの規格書で調べてみましょう。
地デジのキャリア総数は5617。上端のキャリアは地デジの公称周波数から高い方へ(5617-1)/2 = 2808本目。
ここで地デジのセグメント帯域幅は6MHz/14≒428.571kHz。キャリアの周波数間隔はセグメント帯域幅の432分の1なので、428.571kHz/432≒0.992kHzです。
つまり上端キャリアの周波数は、地デジの公称周波数から (6/14) / 432 × 2808 = (39/14) [MHz]高いということで、元記事と計算が合いました。
ところで、地デジの公称周波数は物理チャンネルの中心周波数より 1/7 [MHz] 高くオフセットがかかっているので上のスペアナ画面のように 物理チャンネル13ch(中心周波数473MHz)の場合、上端パイロットの周波数は、473 + 41/14 = 475.928,571,4... [MHz] となります。
次にパイロット信号を拡大すると左側に2本のキャリアが見えてきます。それぞれセグメント番号12 キャリア番号422と425のAC(Auxiliary Channnel)信号です。AC信号は、変調波の伝送制御に関する付加情報または地震動警報情報の伝送に使われるそうです。
左側と真ん中のキャリアの周波数差は0.992kHz×3=2.976kHz。
真ん中とパイロット信号の周波数差は0.992kHz×7=6.944kHzとなるはずですが、スペアナ画面のマーカー値とは微妙に違いますね。FFTビンの都合で少しズレて見えているのかも(想像)です。
CPは連続キャリアでBPSK変調、ACはDBPSK変調されていて、信号レベルはそれぞれ同じのようです。
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