2010年2月18日木曜日

USB FMトランスミッタ: 仕様の検討

 Si4710の特徴は、音声デジタル入力を備え、さらにFM変調までも(おそらく)デジタル処理されていることです。音源からデジタル接続できれば電波までをフルデジタル処理できます。しかし、せっかく専用ICを使用するわけですから、手軽さが命。極力シンプルな構成となるよう仕様を絞り込みました。

ブロック図


音声入力
手元の音源としては、CD/DVDプレーヤとPCのMP3があります。FM電波で音楽信号を伝送する場合、プリエンファシスにより高域信号のレベルが持ち上がってしまうので、そのぶん音量を絞り込む必要があります。しかしそれでは、S/Nが不足し一般の放送局と比べ大幅に聞き劣りすることになります。このため、FM放送局と同様な音質とするにはコンプレッサ/リミッタ等の前処理が必要になります。FM放送の特性に適したコンプレッサ/リミッタの専用ハードは業務用に限定されますが、PC用のソフトウェアなら安価に入手できます。そこでPCに接続することを前提とします。PCのデジタル音声出力としては、主にUSBとS/PDIFがありますが、後者は一般的ではありません。USBなら電源も取れますし、USBオーディオICも入手容易ですのでUSB接続を前提としました。なお、S4710には、シングルバンド構成ながら本格的なコンプレッサ/リミッタを内蔵していますので、その能力も聴いてみたいと思っています。

 USBオーディオICとしては、テキサスインスツルメンツのPCM2704がキット等でも広く使われています。このシリーズからI2Sフォーマット出力に対応しUSBディスクリプタ情報をSPI経由で変更できるPCM2707を選定しました。音声入力信号の仕様は、USBオーディオICの都合により対応サンプルレートは32/44.1/48kHz、16ビットとなります。


法規制
FMト ランスミッタは、免許が不要な微弱電波の範疇で使用しなくてはなりません。今回使用するケースは金属製のため、外部端子を設けて ケース外にアンテナを取り付けます。電波法の規制は、送信出力ではなく電界強度の上限が定められているため、その範囲を逸脱しないよう慎重に決めることに します。


ケースなど
以前、じゃんぱらで購入した2.5インチ用のUSB HDDケースです。USBコネクタやLEDの穴はそのまま使います。このケース、厚みが薄いので高さ制限を気にしながら部品選定します。


USB HDDケース



付加機能
 ケースの内部の基板上にDIPスイッチを設け、周波数の変更、モノラル・ステレオ切替、Si4710内蔵コンプレッサ/リミッタのオン・オフができるようにします。


Si4710とは関係ないですが・・・
 AVRマイコンでステレオ変調器を作っている人のページを見つけました。こんな方法があるとは!


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