ライン信号レベル
アナログ入力は、数少ないチューナ等のアナログソースや自作D/Aコンバータ等の比較試聴のために設けておきたいと思います。
オーディオ機器のライン信号レベルは、共通の規格があるのかわかりませんが、機種によってバラバラという印象を持っています。主な機種の仕様を調べてみました。
CDプレーヤ
- ソニー SCD-XA5400ES 2Vrms
- デノン DCD-1500AE 2Vrms/10kΩ
- マランツ SA7003 2.3Vrms
- マランツ PM7003 LINE IN 200mV/20kΩ
- デノン PMA-2000SE 135mV/23kΩ
- ユニゾンリサーチ UNICO II 375mV/50kΩ
- マランツ ST6003 800mV
やはり製品毎にバラバラです。特徴としては、CDプレーヤの2Vに対し、アンプの入力は0.2V前後とかなり低くなっています。アンプの入力が低いのは、後述の通り、ボリュームを絞り込んだ状態で適正音量とするためだと思います。一方、CDプレーヤとチューナとで差が大きいのは、CDは最大レベルが決まっているデジタルメディアであること。チューナは最大レベルが必ずしも厳密ではない、アナログメディアであることが理由にあるものと推測しています。もちろんアナログとはいえ基準レベルは存在していますが、例えばカセットテープなどではボリュームを上げれば(音質はともかく)基準レベル以上の大きな音を記録・再生可能であるという意味です。
ヘッドホン出力信号レベル
ソニーのMDR-CD900を常用しています。CDの音楽を妥当な音量で再生させたときの、ヘッドホンの端子電圧は0.65Vp-p(0.23Vrms/o dBFS)でした。
他の市販品の仕様も調べてみましたがやはりバラバラですね。
- AKG K701 インピーダンス62Ω、感度93dB SPL/mW、最大入力200mW
- beyerdynamic DT990 PRO インピーダンス250Ω、感度96dB/mW、最大入力100mW
- SENHEISER HD465 インピーダンス32Ω、感度110dB(SPL)
- SENHEISER HD595 インピーダンス50Ω、感度112dB(SPL)
- ソニー MDR-CD900 インピーダンス63Ω、感度106dB/mW、最大入力1W
次に同じ端子電圧を与えたときの音圧差を考えます。感度の数値が大きいほど大きな音が出るので、CD900を基準としたとき、HD595は6dB(大きい)、DT990 PROは-10dB(小さい)となります。また、感度の数値は1mWの場合なので、インピーダンスにより電力に差が出ます。電力はインピーダンス値に反比例するので、CD900を基準としてHD465は63/32=1.97(2.9dB大きい)となります。これらをまとめると、下表の通りHD595は7dB大きく、逆にDT990 PROは16dB小さくなります。SENHEISERのように感度が高いぶんには、ボリュームを絞れば済みますが、AKGやbayerdynamicはとてつもなく感度が低いので、本気で対応させるならボリュームだけではなく、スイッチ等でゲインを切り替えるようにする必要がありそうです。
ヘッドホンの音圧差
音量ボリュームレベル
オーディオ機器の音量調整用ボリューム(可変抵抗器、ポテンショメータとも)としては、一般的にAカーブ(抵抗変化特性が対数型)のものが使われます。実例として、アルプス電気のオーディオ用可変抵抗器RK27シリーズの仕様書によると、抵抗変化特性(カーブ)は15Aで、全回転角度300度となっています。抵抗変化特性(カーブ)グラフによると、単にAカーブといってもひとつだけではなく複数あるようです。(知らなかった!)
次に、実使用時にボリュームでの減衰量を考えてみます。アンプを使うときの音量つまみの位置は、経験的に9時~10時としたときに適正音量と感じる場合が多いように思います。ここで10時の位置は、ボリュームの全回転角度のうち90度/300度=30%に相当します。これは先ほどの抵抗変化特性グラフによるとボリュームの出力電圧は入力の約8%(-22dB)になることがわかります。
0 件のコメント:
コメントを投稿