2012年1月15日日曜日

中波受信用ループアンテナ その9(インダクタンス)

ループアンテナのインダクタンスについて調べてみました。インダクタンスが大きいと自己共振点が低くなったり、Qが高くなってアンテナとして使うときに不便になりそうです。


インダクタンス(長岡係数)

ループアンテナは空芯ソレノイドコイルそのものなので次式で計算できます。

但し、インダクタンスL [H]、長岡係数K、透磁率μ=4π×10^-7[H/m]、ループアンテナの断面積A [㎡]、ループアンテナの厚み l [m]、ループアンテナの巻数N [回]

長岡係数は、あらかじめ用意された係数表を参照する場合が多いようですが、ループアンテナはソレノイドコイルとしては短い(厚みが薄い)ため探した範囲では係数表の掲載範囲外になっていました。長岡係数を算出するには、完全楕円積分という特殊な数式を使わなくてはならないのですが、なんとこれを計算してくれるWebページもあります。

ke!san - 長岡係数の計算 ・・・ 長岡係数を高精度に計算 ※L=コイル長さ=ループアンテナの厚み
IN3OTD's web siteSingle-layer Coil Inductance and Q ・・・ インダクタンスを計算してくれます



インダクタンス実測


4種類の線材でループアンテナを作ってみました。

(1) 600V IV ビニル絶縁電線 単線 導体径1.6mm
(2) 600V IV ビニル絶縁電線(いわゆるアース線) より線 公称断面積2m㎡
(3) カナレ電気 75Ωカラー同軸ケーブルL-3C2VS ※外皮(外部導体)のみを使用
(4) マスプロ BS用低損失75Ω同軸ケーブルS5CFV ※外皮(外部導体)のみを使用





インダクタンスの実測値は計算値より10%弱小さめとなりました。計算式を見ても明らかですが、インダクタンスは直径と厚み(長さ)で決まり、使用する線材の太さには影響を受けないのは意外でした。

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