2010年1月18日月曜日

QFNパッケージのはんだ付け

Si4710(FMトランスミッタIC)のはんだ付けで苦労しています。

 このICは、リード線のないQFN20ピン。3mm角のチップでピンピッチは0.5mmです。QFNには2種類あって、BGAパッケージのようにパッドがチップ底面だけに出ているタイプと、側面にも出ているタイプとがありますが、Si4710は側面にもパッドが出ているタイプです。

Si4710イメージ図(データシートより)


Si4710の裏側(右上はゼムクリップの一部)


 QFNのはんだ付けは、つい先日もSDR基板の製作で経験しており、位置合わせさえ確実であれば無洗浄タイプのフラックスを使ってはんだ付けが可能です。初めてQFNを見たときは、オーダミスで手はんだできないタイプを頼んでしまったと勘違いしましたが、実のところ見た目ほど難しくないという印象です。


JimCom氏設計のSDR基板


 ところが、Si4710のチップ側面パッドは、申し訳程度のごく小さなもので、はんだが乗らず手を焼きました。SDR基板ではラクラクだったのに、Si4710でなぜ苦労するのか違いを考えてみたところ、側面パッドが底面パッドとつながっているかどうかの差があります。どうも側面パッドが基板のパターンから0.1~0.2mmほど高い位置に付いているのが原因のようで、わずかな距離ながらはんだがブリッジしてくれないので、はんだでパターンと接続できません。


Si4710のパッケージ (データシートより)

側面パッドの拡大図
(L1>0のほう、側面と底面パッドが分離している)



SDR基板で使用したLTC2208のパッケージ図面(データシートより)
(側面と底面パッドがつながっている)


 Si4710のはんだ付けには、かなり頑張ったのですが、うまく行かず失敗を覚悟しました。こうなっては、裏返しにしてジャンパ線で接続してやろうかと取り外そうとしましたが、強固にくっついていてはがれません。それなら、底面パッドがパターンにはんだ付けできているのではと淡い期待を抱きつつ基板のパターンとチップ側面パッドの間の導通を確認します。テスタ棒はパッドに対して大きすぎるので先端が針状の特殊プローブを急遽準備して、全ピンの導通を確認できました。ただ、たび重なるはんだごての熱でチップが焼死していなければ良いのですが、こればかりは組み上げてみるまで結果はわかりません。



”特殊プローブ” で導通を確認



”特殊プローブ”の正体は安全クリップ



Si4710実装状況(物差しの1mm目盛との比較)

2 件のコメント:

  1. 私もQFNパッケージのハンダ付けで困っています。ホットプレートによるホームリフローを試したのですがうまく繋がっていないらしく。。
    手ハンダも可能だろうかと調べていたら貴ブログのエントリが見つかりました。大変参考になります。
    拡大写真がとてもよい。
    ありがとうございます。

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    1. お役に立てたようで何よりです

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