2010年1月15日金曜日

ルビジウム発振器(4): ケースに入れる検討

ルビジウム発振器を分配増幅器付きでケースに入れる検討をしてみます。

目標仕様

  • 出力周波数: 10MHz
  • 出力レベル: 0.5Vrms(50Ω負荷)
    測定器側の入力レベルより、0dBm(0.22Vrms/0.63Vp-p)から10dBm(0.7Vrms/2Vp-p)
    程度の範囲が望ましいようです。そこでキリのよい0.5Vrms(7dBm/1.41Vp-p)を
    目標とすることにします。
  • 分配出力数: 3出力
    そもそも接続できる測定器が僅かしかありませんが1.信号源用、2.観測装置用、3.予備
    という考えです。
  • アラーム表示: ルビジウム発振器同期異常、ルビジウムランプ出力異常

内部構成について

(1)電源
 周波数標準ですからドロッパ型のリニアレギュレータで低ノイズな電源を供給してあげたいところですが、今時は測定器でもスイッチング電源が当たり前に使われていますし、面倒なので安易にスイッチング電源を使うことにしました。おまじないとして、ノイズフィルタも使って見ます。いちおう完成したら10MHz出力に電源ノイズが乗ってしまうのかどうか確認してみたいと思っています。
 電源の容量としては、24Vで最大1.7A必要です。ローコストな基板型スイッチング電源としてTDKラムダのVS50E-24RSコンポーネンツで購入しました。50Wタイプなのになぜか2.5A(60W)も取れます。


(2)分配増幅器
 JA9TTT加藤氏のブログと同氏が運営されていたWebでのGPS周波数標準用分配器の記事(現在は運営を休止)を参考にさせて頂きました。元記事では、10MHzのバンドパスフィルタを通しトランジスタ式の増幅器で分配されていましたが、私はジャンク箱に転がっていた高速オペアンプAD813で分配増幅してみようと思います。


(3)アイソレーショントランス
 元記事には分配器出力にアイソレーショントランスが挿入されています。トロイダルコアが無かったのでフェライトビーズFB801に適当に巻いてみました。出力は出てきますが、効果のほどは???


(4)アラーム表示
 LPRO-101のマニュアルの指定ではBITE出力には74HCT14またはFET入力のコンパレータを接続せよとありますが、手持ちの都合でバイポーラ入力で入力バイアス電流の少ない uPC277(uPC393互換)を使うことにしました。コンパレータは初めて使いますが、フィードバック抵抗によりヒステリシスを付けることができるそうです。

コンパレータの応用回路(uPC277データシートより)


 uPC277のデータシートには定数を決めるための計算式が掲載されています。ヒステリシス電圧については、74HCT14のデータシートを参考に、しきい値は0.8V、0.9V~1.7Vとすることにしました。


回路図
 現時点での回路図です。問題点があります。
  • AD813の出力端子で1Vp-pを越えると波形が歪んでしまいます。とりあえず、0.8Vp-p程度に抑えていますが、出力レベルが目標仕様より低いです。ICが発熱します。
  • アラーム表示のLEDの挿入位置を間違えました。トランジスタのコレクタ側に入れるのが正しいのでしょうが、点灯したので良しとしました。

全体回路図

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