浮遊容量
4種類の線材で作ったループアンテナの自己共振周波数から浮遊容量を計算してみました。
まず、自己共振周波数はいずれも10MHz以上とAMラジオ受信用としては問題ありませんが、巻数を増やしたときには問題に直面しそうです。帯域内のインピーダンス変化をなだらかとするためには、(私の感覚としては)自己共振周波数は低くても4~5MHz以上にしたいところです。
インダクタンスと自己共振周波数の実測値から浮遊容量を計算することはできましたが、浮遊容量を正確に計算で求めるのは難しいそうです。このループアンテナでは、線材を密着させて2回巻いています。ループアンテナの形状から考えると、隣り合う線材間に発生する静電容量がいちばん影響を与えているような気がします。そこで線材間の間隔をあけて静電容量を減らせば結果的に浮遊容量も減るだろうと考えました。
線材間の静電容量ということで、平行2線ケーブルの静電容量の計算式をさがしてみたところWebで計算例がありました。
但し、2本の電線間の1mあたりの静電容量 C[F/m]、誘電率ε[F/m](真空中の誘電率は8.854×10^-12)、log e≒0.4343、電線の半径 r[m]、電線間の距離 d[m]
上式から、電線間の静電容量を計算したのが次の表です。電線間の静電容量と浮遊容量の関係はリニアではありませんが、傾向としては比例関係にあるので当たらずとも遠からずといったところでしょうか。なお、誘電率は真空中のものとしており比誘電率は考慮していません。
次に、電線間の距離を変えた場合の静電容量の変化をグラフ化してみます。
グラフ横軸の電線間隔は、電線の太さDで正規化したもので電線間隔=2は、電線間隔が電線太さの2倍を示しています。縦軸は静電容量で、電線間隔=2のときの静電容量で正規化しています。
グラフからは、電線を密着させた場合と比較して、少し離隔を取ってやるだけで大幅に電線間の静電容量を低減できることがわかります。また、今回のテストでは、比誘電率が大きいPVC被覆電線を密着して配置したことも浮遊容量増に影響を与えていたのではと推測しています。
参考資料
・電気柵 - 電気柵の静電容量の計算と考察
2012年1月17日火曜日
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