2009年11月26日木曜日
地デジ測定器を動かしてみる(2)
地デジ受信機6500Aです。マグナデザインネット製の復調ボードを内蔵しています。家庭用の受信機とは違い映像・音声出力はついておらずTS信号が出てくるだけです。付加機能としてTMCC情報の表示やBER(ビットエラーレート)が見られます。写真では、ビタビ復号前のBERが表示されていて、A階層(部分受信・ワンセグ)はエラーなし、B階層(固定受信・ハイビジョン)が1.4×10-4であることがわかります。ビタビ復号後の表示に切り替えるとA階層・B階層ともにエラー表示がゼロになります。
"EWS FLAG"は緊急警報放送信号を受信したときに点灯するようです。"COUNT DOWN"は緊急警報放送信号が送出されるまでのカウントダウンみたいです。
TMCC信号(Transmission and Multiplexing Configuration Control)は、受信機が地デジを受信するときに必要な伝送パラメータ(変調方式やセグメント番号など)を示す信号です。地元のテレビ局のパラメータを一通り見てみましたが、すべて同じでした。MODE3, ガードインターバル比1/8で、
A階層(ワンセグ)のキャリア変調方式はQPSK, 畳み込み符号化率2/3, 時間インターリーブ長4, セグメント数1、そして最後の1は部分受信(ワンセグ)を表している?ものと想像しています。(マニュアルがないので不明)
続いてB階層のキャリア変調方式は64QAM, 畳み込み符号化率3/4, 時間インターリーブ長2, セグメント数12です。
受信機の仕様によると出力フォーマットは204bytesパケットで、3種類のTS出力フォーマット(1.放送TS, 2.多重化TS, 3.特定階層TS)を選べますが、接続するOFDM変調器には放送TSだけしかつながらないようでした。
この放送TSについては、ARIBの標準規格STD-B31 「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」(概要、規格書1.7版)付属書「地上デジタルテレビジョン放送の運用ガイドライン」の5章に規定があります。いくら読んでもなかなか理解できないのですが、通常のMPEG2-TSの各TSパケットのダミーバイト部分にTMCC情報等を埋め込んだり、ヌルパケットにIIP(ISDB-T Information Packet)として多重化させ、さらに地デジのフレーム構造を持たせたもの、のようです。フレーム構造を持つため、何らかのかたちで信号伝送に際してはフレーム同期を取る必要があります。
OFDM変調器は、受け取ったTMCC情報を見て、所期の変調パラメータで変調をかけることになります。
余談ですが、この受信機には受信したFFTサンプル周波数と同期したSYSTEMクロック出力があります。放送局の送信機の基準周波数はルビジウム発振器により制御されているはずですから、このSYSTEMクロックもルビジウムに準じた精度が期待できる、と言えます。でもFFTサンプル周波数は512/63=8.12698・・・MHzということで、そのままでは使いにくいですね。
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