さて、OFDM変調器の出力周波数は37.15MHzでしたがUHF TV帯へのアップコンバータがないので、代わりにR&Kのダブルバランスドミキサと信号発生器で周波数変換を行います。今回は空きチャンネルということで62chとしました。
62chは、764~770MHzの幅を持ち中心周波数は767MHzです。地デジの中心周波数は1/7 MHzのオフセットが掛けられているので、767.142857MHzとなります。Web上で地デジの中心周波数を調べられるサイトがあるので利用させて頂きました。
先に紹介したとおりIF信号のスペクトラムは反転しているので、周波数変換の過程でスペクトラムが反転するように局部発振器LOは逆へテロダインとなるような周波数関係にセットします。
LO= 37.15MHz + 767.142857MHz = 804.292857MHz
OFDM信号は約5.7MHzもの周波数帯幅を持っているので、スペクトラムアナライザのチャンネルパワー測定機能でレベルを確認します。スペクトラム表示では、周波数帯幅の約1/100となるRBW=50kHzで観測しているので約20dB低く表示されています。
ビクター製のテレビですが取説にはアンテナ入力レベルの記載がありませんでした。そこでパナソニックの単体地デジチューナTU-MHD500の仕様を参考にしようと調べたところ、-75dBm(標準)~-20dBm(75Ω )ということでした。画面では62chで受信されていることがわかります。
チャンネルスキャンを行うと、放送局名が表示され受信できるようになります。
いったん放送局を受信できている状態で、別の放送局のTS信号に変更したところです。送信チャンネルや変調パラメータは同じなのに受信できなくなってしまいます。リモコン番号に矛盾が出るからなのか、放送局を変更したときは再度チャンネルスキャンをしないと受信できません。
続いて、OFDM変調器のセグメント毎にキャリアをオン/オフできる測定器ならではの機能を使ってみます。地デジの電波は13個のセグメントから構成されていて、中央の1セグメントはワンセグ向け、残りの12セグメントはHDTVなどの固定受信向けのサービスに使われています。試しに固定受信向けのセグメント1個をオフにしてみたところ、切替ショックもなくテレビで映像が受信できることに気がつき驚きました。さらにもう1個、合計2個のオフにしたときは、セグメントの組み合わせによって受信できる場合と受信できない場合がありました。
上の図で、数字はセグメント番号を示しています。合計2個のセグメントをオフにしても映像が受信できる組み合わせをオレンジ色に塗ってあります。
合計3個のセグメントをオフにしてみた
上のスペクトラムは、ワンセグと固定受信2個のセグメントをオフにしたところです。これでもテレビでは違和感なく映像が出ています。セグメントをオフにしても何故映像が出るのか考えたのですが、固定受信の12セグメントのうち10セグメントだけで映像がみられると言うことは、まず伝送容量が83%になってもビタビ復号(符号化率3/4)とリードソロモン符号による誤り訂正で復号できたということだと思います。とはいえビットレートに余裕はないので、セグメント間インターリーブがランダムに行われている訳ではないので、セグメントの組み合わせによって影響度に差が出たのかなぁと思っています。
(・・・と説明してますが、どうもムリがあるような??)
(参考資料)
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