2012年2月1日水曜日

中波受信用ループアンテナ その13(バーアンテナの利得・実効高)

バーアンテナの実効高(利得)

ポータブルラジオによく使われるバーアンテナの実効高について考えてみました。


写真のバーアンテナは、手持ちで最も大きく高性能そうに見えるもので、実測で次のような特性を持っています。

・フェライトバー: 直径1cm、長さ15cm
・中波ラジオ用巻線(右側): 75回巻、直流抵抗値1.23Ω
・インダクタンス: フェライトありのとき384μH、フェライトなしのとき23μH

インダクタンスは、フェライトバーの実効比透磁率の分だけ大きくなるので実効比透磁率μeは、384÷23 ≒ 16.7 であることがわかります。
フェライトバーアンテナもループアンテナの一種で、ループアンテナの見かけの面積はフェライトバーの比透磁率の分だけ大きくなりますから実効高は次のようになります。但し、実効高h [m]、実効比透磁率μe、ループアンテナ面積A [㎡]、ループ巻数N [回]、波長λ [m]


上式を使うと、バーアンテナと実効高が等しいループアンテナの大きさを計算できます。波長が同じなら、分子のμe×A×Nの積が等しければ 実効高が等しくなります。

バーアンテナは、μe×A×N = 16.7×(π×0.005^2)×75 = 0.098 [㎡] です。
そして1回巻のループアンテナなら、比透磁率は 1 なので、ループ面積0.098㎡に相当します。
ループ面積0.098㎡は、直径35センチ相当なのでフェライトバーを使うことでかなりの小型化ができていることがわかります。ただ、実効高が同じでも直流抵抗値が大きく、しかも中波帯域では表皮効果の影響も受けるため放射効率の面で不利なことが予測できます。



参考資料

NDXC名古屋DXersサークル - 中波用フェライトバーアンテナの製作

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