TT@北海道さんが頒布された、CentSDRの試作品キットです。シンプルな回路構成ながらSTM32で復調処理はもちろんのことバンドスコープやIQ信号波形表示までこなします。さらには、使ってみたいと思わせるデザイン性の高い画面表示まで。これを自分で組み立てられるという達成感を味わいました。
このキットは、試作品につきレポートのWeb等への公開が課せられています。このような完成度の高い作品に意見を申し上げるのは畏れ多いことですが、キットの組み立てを通して感じたこと、工夫したことをいくつか書き残してみます。
キットの内容
基板とパーツの一部がセットになっています。チップCRにカラーペンで色別表示が付いてるのはお分かりでしょうか。それに基板の角が面取りされているなど気配りが行き届いています。追加部品
説明書に記載の通り、LCD、Si5351A、ロータリエンコーダ、ピンヘッダ等は別途手配が必要です。LCDはe-bayで入手しました。このほか、リチウムイオン電池の接続にも対応しているようで専用のパターンが用意されています。(注:初期ロットには制約事項があります。説明書で確認してください。)回路図にはNo Useと破線で囲まれた部分がそれですが、後からこれに気付いたので手持ち部品で実装しておき、充電制御チップMCP73831や電池は後日手配するつもりです。部品ではありませんが、ファームウェア書き込みツールとしてNucleo-64も買いました。
組み立て
他の方の組み立てレポートでマイクロUSBコネクタが剥がれたという報告があったので、スルーホールのビア近くにコネクタのはんだ付け箇所を追加してみました。それでも強度的には依然弱いのでやさしく取り扱うことにしましょう。取付箇所付近にビアを追加すれば強度は増すと思われます。説明書では、基板裏側からコネクタ裏面にはんだを流し込むことが推奨されていますが、基板裏側のランドが小さくどうにもはんだが流れ込んでくれませんでした。
このキットの最難関は、QFNのはんだ付けでしょうか。リフローを前提としてフットプリントが設計されているようで手はんだ派には全般的に難易度高くツラいです。とくにミキサIC付近のチップコンの配置が密集していてピンセットが入らず苦労しました。これは老眼で見えないせいもありますけども。コーデックは、メンディングテープで固定して作業しましたが少しずれてしまいました。拡大してみると残念な仕上がりです。
C19-21のタンタルコンデンサにはシルクで極性表示があるとわかりやすそうです。
完成です!
ファームウェアの書き込み
NucleoのCN2ジャンパ2個を取り外し、CentSDRと接続します。接続するのは、2:TCK, 3:GND, 4:TMSだけでも良いそうです。NucleoのUSBをPCに接続すると、USBドライブが見えるので、ここにch.binファイルをコピーするだけで書き込み処理が終了します。ここまで呆気なく終了。STM32の書き込みツール、なかなか良いですね!
丁寧なレポートありがとうございます。感想やコメントがとても参考になります。
返信削除お楽しみいただけたのであれば何よりです。
手ハンダしにくい部分があるのは恐縮です。Cの極性はそのとおりですね。次回反映します。
オーディオ出力ですが、スピーカで作業しているので、イヤホンだと音量が適切ではないかも
しれません。特に電源投入切断時にポップが出るのでお気をつけください。
これもマニュアルに明記すべきですね。
引き続き遊んでいただければ幸いです。よろしくお願いします。