12月3日~4日に開催されたOgaki Mini Maker Faire 2022を見てきました。大垣は12年ぶり。気になったものをメモに残しておきます。
2022年12月15日木曜日
Ogaki Mini Maker Faire 2022(岐阜県大垣市)
2020年12月16日水曜日
自動車用 故障診断機(OBD2スキャンツール)
先日クルマで外出中「ABS警告灯」が点灯。古いクルマだし、ついに来たという感じでした。電装系に詳しそうな整備工場に持ち込むと、車輪の回転速度検知に使われるセンサー(ホール素子)の不良とのこと。センサーは、車輪のハブに取り付けられており、錆だらけです。ボルトの六角穴はすでに角が取れ、取り外しに手間取ったそうですが、部品交換してもらって修理完了でした。
作業の様子を見ていますと、整備士の方は、故障診断機の画面で故障箇所を特定。部品交換後には同じく異常履歴のリセットもしていました。
この故障診断機、社外品の簡易なものであれば個人でも手が届く価格で購入できます。修理も完了したし、あえて必要は無いのですが、Bluetooth接続のドングルタイプがとにかく安いので、ものは試しと購入しました。(アマゾン、ebay、Ali等で買えます)
ELM327
購入したドングルはELM327という商品です。同じ名前のドングルがたくさん売られていますが、もともとELM327は、カナダELM ElectronicsのOBD-RS232変換ICの名称です。データシートによるとPIC18F2x8xファミリがベースだと書いてあります。
このICのクローンが中国で大量に作られていることから、ELM327はこの手の(社外品)故障診断機のデファクトスタンダードのような位置づけになっているようです。ただ、この手の商品レビューでは、本物か偽物か、とか本家の仕様と異なるとか、色々書いてあります。クローンといっても玉石混淆で、仕様を似せて作ったものにELM327の名前を付けて売っているだけじゃ無いのかなとも思えます。中には所定の機能(コマンド)を備えていないものも横行しており、その機能を検証するためのアプリまで広まっている有様です。
外装を開けて見ました。OBD2からプロトコル変換してBluetoothに飛ばすだけと思われます。キーデバイスの品名を列挙します。
- PIC18F25K80-1/SS: ELM327のクローン
- VC1040: CANトランシーバ(TJA1040クローン)
- YC1021: Yichip Electronics/Bluetooth 3.0 BR/EDR + BLE
- 24C32A: 32K EEPROM
OBD2コネクタに取付
このドングルを自動車に取り付けてみます。OBD2コネクタには、自動車のバッテリーから直流電源が給電されているので外部電源は不要です。ウチのクルマには、アクセルペダルの奥に目立たぬようOBD2コネクタがありました。紫色の角形コネクタがそれです。スマホを操作してBluetooth接続(PINは1234でした)できたのでまずは一安心です。
次にアプリをインストールします。ELM327は自動車のECUとおしゃべりするだけのプロトコル変換機能しか無いので、各種のコマンドの発行はアプリ任せということになります。Google Playで"ELM327"を検索すると沢山のアプリが出てきます。各自動車メーカ共通のコマンドが使える故障コードの表示等はどのアプリでも対応できるはずですが、メーカや車種固有のコマンドへの対応は付加価値ということで課金による拡張機能扱いのアプリが多いです。アプリの説明を見ると、それが差別化のポイントだから詳しくアピールされています。今回は動作確認できれば良いので、定番らしいTorqueをインストールしてみました。アクセルを踏むとリアルタイムでメータが変化しますし、あいにく(?)異常が無かったのですが異常コードの表示もできました。
ELM327の機能を検証
次に、ELM327 Identifierで、ELM327が対応している機能を検証してみます。この結果によるとバージョン1.4までの機能をサポートしていることがわかります。コマンド表示画面を見ると、アプリが何をやっているか想像できますね。
2020年11月29日日曜日
基板撮影用 照明ボックス
基板の撮影は、照明が映り込んでしまったりして意外に難しいものです。何か良い方法はないのかとWeb検索したら照明の自作例を見かけたので真似してみました。
Tachi technical blog - 基板撮影箱を作る
仕組みはご覧の通りで、ダイソーのタッパー容器の内側にLEDテープを貼り付けただけです。環状ではありませんけどリングライトと呼ぶらしいです。ちなみに容器の底に置いている黒いのはIC用の導電スポンジです。
LEDテープは、安くて演色性の良いものを、と探しCRI(Color Rendering Index>=90と称するものをebayで見つけました。色は、cool white, warm white, 4000K whiteが選べました。warm whiteは電球色、4000K whiteは昼白色より色温度低めでしょうか。撮影照明用にはcool white(昼光色)が適しているようです。
LEDテープを使うのは、初めてです。はさみマークのところであれば任意の長さに切断できます。9Vで弱く光り、定格の12Vでは眩しく輝きます。どうやらLED 3個直列+100Ω抵抗を一組として並列接続されています。
LEDテープ裏に付けられた粘着テープでタッパー容器に貼り付けます。LEDは熱くなります。おそらく50度くらいになっていそう。いずれテープが剥がれてしまうでしょうが、そのときに考えましょう。
今回はLEDを30組 90個を点灯させています。電流は電源投入直後0.89A、徐々に上昇を続け0.916Aで落ち着きました。調べてみたらLEDの順方向降下電圧は-2mV/℃の温特を持っているそうで、納得。このテープは抵抗で電流制限掛けているので仕方ありません。
使用結果
デスクライトとの比較では、照明の映り込みが緩和されているのがわかります。照明ボックスでは照明の位置調整が要らなくなるのでめちゃラクになりました。
2020年6月6日土曜日
miniDSP MCHStreamer マルチチャンネルUSBオーディオ: 残念な話
インターフェース仕様
SPDIF: ステレオ入出力 24bit 44.1~192kHz(光入出力もあり)I2S: 最大8ch入出力 24/32bit 8~384kHz(⇒ 192kHzだよね!)
TDM8: 最大24ch入出力 44.1~96k
PDM: 最大16ch 24bit 8~48kHz
DSD: 最大8ch出力 DSD64/128/256
ステレオは2チャンネルと数えるので8chはステレオ4系統相当です。電源はバスパワー動作も可能ですが、ヘッダピンから5Vを供給することもできます。
MCHStreamerはクロックマスタで動作します。I2Sクロック MCLK, LRCLK, BCLK はすべて出力なので、接続するADC/DACはスレーブモードで動作させることになります。
対応できるサンプルレートは、動作モードにより違いがあります。384kHz対応は、AllRate(入出力)、Oi2o_DSD(PCM出力)、Oi8o_DSD(PCM出力)の3つ。そのちI2S入力に対応するのはAllRateのみです。
Windowsで使用する
miniDSPのユーザダウンロードページからWindowsドライバ(ASIO)をダウンロードし、MCHStreamer KitをUSB接続した状態で、ドライバのsetupファイルを実行します。すると、基板のデフォルトであるI2S_TOSLINKファームウェアが有効になっているので、I2S 8chとTOSLINK 2chの計10ch、44.1~192kHzが使えます。さて、とりあえず動作試験をしたいところ、9/10チャンネルにアサインされているトスリンクから音を出そうとしましたが、WaveGeneでは8チャンネルまでしか選べないし、良いツールが見当たりません。そこで付属の更新ツールminiDSPUAC2Dfuを使いファームウェアをTOSLINK_Onlyに差し替えて、TOSLINKを通じての動作確認ができました。
今回は、I2S 384kHzを使えるようにしたいのでファームウェアをAllRateに変更します。ただI2Sの対応デバイスがありませんから、とりあえずI2S入出力を直結してループバック動作させることにしました。
ところが、WaveSpectra(他のソフトでも)では192kHzまでしか使えません。
念のため、Oi2o_DSD/Oi8o_DSDファームウェアに変えたところ、384kHz出力はできますが入力は非対応です。
これは、おかしいとサポートに問い合わせたところ、次の回答が届きました。
- AllRateは、パケットサイズがUSBリンク速度を越えるため、384kHz 8chをサポートしていない
- 384kHz 2ch 双方向オーディオには対応していない
ええー!?と驚きです。資料では384kHz双方向で使えるかのように書いてあるのですが、現状で使えそうもありません。
いちおうLinuxでも試してみたところ、ラズパイ4でドライバを追加することなくASIOで使用できます。ただ、AllRateファームウェアでのループバック動作はやはり192kHzまででした。
サポートは、USBリンク速度の制約を受けていると言っています。オーディオの転送レートは、32ビット×384ksps×8チャンネル×2双方向=196.608Mbsとなかなかのものです。もしUSBの接続速度がそれ以下なら、ぜったい通りません。UsbTreeViewでUSBインターフェースの接続状態を確認したところ、High-Speed(480Mbps)で接続ですから大丈夫のはずです。
High-Speed接続なのに、なぜリンク速度が不足するというのか、詳しい方に尋ねてみたところ、ドライバのディスクリプタの書き方次第で上限が変わるらしいんですね。何か物理的な制約があるのか、何らかの事情があってソフトを頑張っていないのか、外野からは知る由がありません。とはいえ、384kHz対応と謳うくらいであれば、この製品のようにチャンネル数を削減して384kHz双方向通信ができるドライバをリリースしてほしいものです。
マルチチャンネル
マルチチャンネルデバイスは使ったことがなく、Windowsからどのように見えるのか興味津々でした。画面コピーを貼り付けておきます。コントロールパネル ⇒ サウンド
再生タブ(スピーカー MCHStreamer Multi-channels)
録音タブ(ライン MCHStreamer Multi-channels)